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全日本実業団競技大会 3位決定戦レポート

九州電力 77 ( 22-22  14-17  25-14  16-17 ) 70 新生紙パルプ商事
スターティングメンバー
九州電力:#5中川、#6柚木、#21伊藤、#27長澤、#45根岸
新生紙パルプ商事:#4近森、#11坂口、#12高崎、#15遠藤、#16山本
 第1Pは点の取り合いで始まる。九州電力は速い展開から中外を絡めて、新生紙パルプ商事は合わせのプレーから点を取り合い、どちらも一歩も引かない。残り1分で九州電力は#3樋口と#31児島を、新生紙パルプ商事は#5有田と#10奥をコートに入れる。同点で始まった第2P、九州電力は#11山口をコートに。新生紙パルプ商事#10奥との中央大先輩後輩のマッチアップは互いに取られたら取り返す白熱したものになった。ここで新生紙パルプ商事が連続得点しリードを広げる。九州電力は焦ることなく、この日好調の#45根岸がトランジションから速攻を決めると、残り5分半には九州電力#5中川がドライブインを決め、新生紙パルプ商事はタイムアウトを取る。しかし九州電力の追い上げは続き、#11山口が積極的に1on1を仕掛けると、さらに#27長澤の速攻で1点差にする。ここでどちらも攻めきれない時間が続くが、終了間際ようやく新生紙パルプ商事#5有田が決め、新生紙パルプ商事がわずかに3点リードで折り返す。
 第3Pも序盤は点の取り合いとなる。しかし残り5分から九州電力が徐々に流れを引き寄せ始まると、#5中川のドリブルワークとトランジションで新生紙パルプ商事を一気に引き離しにかかる。残り2分51秒、タイムアウトで修正しようとした新生紙パルプ商事だったが、九州電力の#5中川と#31児島の2ガードにリズムを崩され防戦一方となる。それでもオフェンス力のある新生紙パルプ商事#12高崎がドライブインで取り返し、6点差に詰めるが、残り10秒に九州電力#5中川に速攻を決められる。新生紙パルプ商事の最後のシュートもはずれ、九州電力が8点リードして最終Pに入る。何とか追いつきたい新生紙パルプ商事は#4近森が1on1から得点すると、#15遠藤、#12高崎の強気の展開からの得点につなげ、残り1分40秒には3点差まで詰める。しかし、ここで得点が止まってしまった新生紙パルプ商事はファールゲームを仕掛ける。残り30秒、九州電力#1平山がフリースローを2本とも決め点差を広げる。新生紙パルプ商事も#15遠藤、#4近森が意地を見せるがここまで。残り1.6秒の九州電力#45根岸のフリースローも2本とも決まり、九州電力が逃げ切り3位に入った。

九州電力
Kyuden27 #4長澤諭史
前日の試合で肋骨にひびが入り「息をしても痛いんですよ」と試合前顔をゆがめながらそう話した。しかし、他のメンバーの怪我もありスタートでの出場。手が挙がらないといいながらも「決めなくてはいけない3ポイントシュートが決められなかった」と悔しがった。
「がんばったんですよ、みんな。チームとして今シーズンやろうとしていることもみんな意識してやれました。ただまだ精度が上がってないということと、去年のプレーの名残がちょっとずつ出てしまって足が止まってしまったかなという感じです。もっと精度を上げていくしかないのですが、なかなか練習が…というジレンマはありますね。新人がまだ十分フィットしてはいないところもあります」
 チームとして新たな形に取り組みだしてからはじめての全国大会。結果以上に見えてきたものがあった。
「悔しいですけど、気持ちは落ちていないです。2月に比べると確実に変わってきていると思います。ただけが人が多くて…みんな頑張りすぎるんですよ。うちのバスケットは抜かないから。でも抜いてプレーしようとは思わないです。バスケットを変えたくはないですから。常に全力でプレーすること、それがうちのバスケットですし、その方が見てる人が楽しいと思いますから。あとうちにほしいのが元気なんです。もっと声を出すこと。声を出せば自然に体も動くと思いますしね。今日は新人の児嶋を中川と2ガードで使いました。児嶋も試合出てもプレータイム少ないし、自分のプレーができないし、周りからはああしろこうしろって言われるしで、いろいろストレス溜めてしまっている部分はありました。せっかく今2ガードのポジションから始めようと言う流れになってきているので、もっと使っていかないといけないですよね。僕自身のプレーも今年はモーションのオフェンスをやっているので去年までに比べてシュートも打ちやすくなりました。肋骨の方はすごい痛いです。絶対決めないといけないコーナーからのシュートが決められなかった。その前のあのランニングシュートが限界でしたね。(山口)健太郎さんも膝が良くなくて、それでもあれだけやってくれています。健太郎さんはこれまでの経験を全部教えてくれますから、加入は本当に大きいですね」
 個々の能力と勝利への強い気持ちで全国トップクラスのチームになった。しかし、それだけではこれからは勝っていけないことも分かってきた。
「今まで試合のビデオを見て反省したり、対策を立てたりということを一切したことがなかったんですよ。昨日のJR東日本秋田に敗れたあとみんなでこれではダメだという話をしました。これからはプレーだけではない部分もしっかりと取り組んでいきたいです」

#5中川直之
「実業団でバスケットをやっている人たちはみんな、仕事しながらでもバスケがしたいんですよ。すごく大変な分、思いは強いし、熱いんですよね」
 JIC最終戦となった3位決定戦後、中川は静かにそういった。大学を卒業して4年目。わずかに2年目で実業団の頂点に達した(2006年度全実優勝)が、常勝チームとは行かない現実。能力だけでは勝てないことを昨シーズン身をもって感じた。
「今年はチームとしてのオフェンスを考えています。まだまだ試合を通してやれてはいないですが、確実に変わってきていると思いますね。課題は多いですが、その分伸び代がまだまだあるということだと思っています。もっと強くなれるし、もっと強くならないといけない。今シーズンもオールジャパンに出場したいですからね。もっともっと頑張りますよ」

#11山口健太郎
「やはり面白いですね」膝の痛みを抱えながらもコートに立つその姿は、苦しさではなくバスケットができる楽しさばかりが伝わってきた。
「アイシンをやめて地元に戻ることになってそこでバスケットを続けていければと思っていたのですが、ちょうど良く声をかけてもらって九州電力に入りました。地元の福岡でアイシンで習った知識を伝えたいという思いがあります。JBLは各選手がチームの中で何をするべきかということをよくわかってやっています。九電はまだ個人でやっている監事が強いので、チームでやれるようになったらもっと強くなると思いますね。実業団では練習もなかなかできなくて環境的には厳しいでが、その限られた時間の中でいかに集中してやっていけるかですよね。これからもチームに貢献できるように頑張ります」

新生紙パルプ商事
#4近森洋介
「勝てなかったですね。悔しいです。第3Pで向こうに走られてしまったのが痛かったですね」
-向こうは社会人選手権のシードのことも考えて絶対3位に入りたいといっていましたが
「そういう気持ちがうちはまだ弱いです。そこまで強く勝ちたいと思い切れていないのだと思います。それが結局結果に出てしまう。まだまだです」
-大学の後輩でもある山口選手がいい働きをしてましたよね
「あの人はパワーは半端じゃないですよ。よく知ってます。今日は坂口も苦労してましたね。まあ、いい経験になると思います」
-この後東京都実業団をはさんで社会人選手権ですが、昨年のようにオールジャパンを取るためには横河電機に勝たないといけなくなりましたね。
「もう頑張るだけですね。勝てない相手というわけではないと思うんです。もうちょっと修正して、練習を頑張ってやっていきたいです」

#12高崎陽平
「大分落ち着いてやれるようになりました」
これからのチームを牽引していくべき存在となってきた2年目の高崎。「近森さんのような息の長いプレーヤーになりたい」と入社当時から語っていた。今ではチームの誰よりも厳しい練習に打ち込んでいる。
「審判の笛にもアジャストできるようになってきて、あまり熱くならなくなりました。シュートが不調な時もそれ以外の部分で貢献できるようにしています。今回は悔しい結果ですが、次は勝てるようにがんばります」

取材・文 渡辺美香(写真提供:中村斗音氏)

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