スポーツのミカタ ウィークリー2010 vol.29
今号は関東実業団リーグ戦の特集号となります。
☆関東実業団リーグ戦
関東実業団バスケットボールリーグ戦は7月19日(月・祝)に最終日を迎えた。男子1部は横河電機の7連覇、女子はメディセオの4年ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。この後、24日(土)に男女1-2部入替戦、男子の2-3部入替戦と4部入替決定戦が行われ、全日程を終えることとなる。
男子
1部:2次リーグ第1戦から1週あけて第2戦、第3戦を連戦で行った。
上位リーグは2次リーグ第1戦を終え横河電機と日本無線が1勝、曙ブレーキ工業と三井住友銀行が1敗となっていた。第1戦で三井住友銀行に辛くも勝利した横河電機だったが、試合が1週空いたこともありしっかりとチームを修正、第2戦では曙ブレーキ工業を寄せ付けることなく勝利した。序盤で一気に引き離すと速い時間帯からベンチメンバーをコートに出すことができた横河電機は、猛暑の会場での疲労などの影響を極力少なくすることができた。日本無線と三井住友銀行の1戦は激戦となった。序盤は暑さの影響もあるのかどちらも決めきれない展開で第1Pはロースコアで終える。第2Pに入ってもどちらも流れを引き寄せることができず、一進一退の攻防が続く。三井住友銀行は何度かリードを広げようとするも二桁リードには至らず、日本無線が追いつく展開。第3Pを終えて44-42でわずかに三井住友銀行が2点リードとなり最終Pへ。ここから厳しい暑さの中若さで勝る三井住友銀行が走る展開に持ち込み徐々に日本無線を引き離す。攻守にリズムが作れない日本無線は得点も伸びず苦しい展開となる。残り1分半に三井住友銀行が10点以上の点差をつけると、最後まで勢いを保ち勝利した。これで優勝は横河電機、三井住友銀行、日本無線に絞られた。最終戦、三井住友銀行vs曙ブレーキ工業戦は三井住友銀行がリードし、曙ブレーキ工業が追いつく展開が続く。しかし三井住友銀行が粘る曙ブレーキ工業を引き離し勝利した。この時点で三井住友銀行は最終戦の横河電機vs日本無線戦の結果待ちとなる。敗れた曙ブレーキ工業だが、今リーグ戦はチームの司令塔#4藤原を欠いたままでの戦いとなった。この敗戦で4位が決まったが、「正直この成績は予想してなかった」と厳しいリーグ戦を覚悟していたチームキャプテン#14石田は言う。「取りあえず上位に入れたことでホッとしています。チームとしてはまだまだなので、秋に向けてもっと挙げていかないといけないです。(関東実業団)選手権でのベスト4入りがなかなか出来ていないので、今シーズンはまずそこを目指して頑張ります」と語る。最終順位は結果待ちとなった三井住友銀行だが、尻上がりに状態が上がっていった今リーグ戦に満足な様子を見せた。「序盤戦は崩れた試合もありましたが、中盤から切り替えていけました。みんなが自分の仕事を理解してやってくれています。2月の全実の結果もそれぞれの自信につながっている部分もあると思います。次はこれまであまりいい結果を残せていないJIC(全日本実業団競技大会)で勝って、社会人大会(全日本社会人選手権)に出場したいですね」とキャプテンの#4菊池は語る。最終戦は横河電機vs日本無線戦となった。前日主力のプレータイムを控えることができ疲労の少ない横河電機と、接戦で痛い敗戦をした日本無線の対戦は序盤こそ競ったものの、第2Pで横河電機が大きく引き離す展開となる。終盤ベンチメンバー主体となった横河電機に日本無線が得点を重ねるも勝敗の行方には影響なく、19点差をつけて横河電機が勝利した。横河電機はこれでリーグ戦7連覇、さらにリーグ戦の連勝を63に伸ばした。7連覇は関東実業団春季大会としては初となる。横河電機のキャプテンであり、MVPと得点王も獲得した#20田ヶ谷は連勝が止まらなかったことにホッとした様子。「やはり自分がキャプテンの代で連勝が止まるのは嫌でしたから正直プレッシャーはありましたね。今リーグ戦は選手の故障もあり厳しいところもありましたが、みんな勝ちたい気持ちが強いのでそこは何とか勝ち続けることができました」と語る。敗れた日本無線キャプテン#6鈴木は「昨日の今日でやはり切り替えられませんでした。こんなに点が取れないのでは勝てないです。もう一度立て直しです」と厳しい表情で言った。
下位リーグは第1戦を終え、葵企業と新生紙パルプ商事が1勝、東京日産と東京電力が1敗となっていた。第2戦、新生紙パルプ商事vs東京電力戦は前半で新生紙パルプ商事が10点リードとするも、そこから離しきれない。第3Pに東京電力が追い上げると最後まで競った展開となる。しかし最後は新生紙パルプ商事が逃げ切り勝利した。葵企業vs東京日産戦は葵企業が東京日産を圧倒して勝利した。最終戦は東京日産vs東京電力戦が7-8位決定戦、葵企業vs新生紙パルプ商事戦が5-6位決定戦となった。8位で終わると2部に自動降格となることもあり絶対負けられない戦いとなった7-8位決定戦。序盤は東京電力が#0新家の活躍もありリードを奪う。しかし、#0新家が怪我でベンチに下がると流れは東京日産に。インサイドを東京日産が支配すると、東京電力は走る展開にも持ち込めず得点が伸びない。そのまま東京日産が東京電力を大きく引き離し勝利した。1部残留に望みをつないだ東京日産はこの日わずかに7名しか選手がいない状態。「昨日はあまりにも悪すぎて、逆に切り替えられました。今日人がいないことは分かっていたので、そこは気持ちでやれましたね。勝って良かったですが、入替戦で勝たないと。24日は頑張ります」とキャプテンの#9三原は気持ちを引き締めた。敗れた東京電力は2部降格が決まった。「だめでした。力不足です。また2部で頑張って1部復帰を果たしたいです」とキャプテン#3涌井は言葉少なに語った。5位になればJIC出場が決まる5-6位決定戦は試合終了まで白熱した激戦となった。6年連続出場を目指す新生紙パルプ商事と初出場を狙う葵企業ともにこの1戦にかける強い気持ちが試合にも表れた。前半を新生紙パルプ商事の9点リードで折り返した第3P、葵企業が速い展開から#15永田を中心に追い上げを見せ、新生紙パルプ商事の1点リードで最終Pに入る。一進一退の攻防が続く中、新生紙パルプ商事#11坂口がリバウンドを奪い流れを引き寄せる。残り3分、新生紙パルプ商事#12高崎の3ポイントシュートが決まり新生紙パルプ商事のリードが5点に広がると葵企業はタイムアウトを取る。その後一度は追いついた葵企業だが、再びリバウンドの流れから新生紙パルプ商事がリードを奪う。残り1分、葵企業#14松岡の3ポイントシュートが決まり1点差に迫る。ここで両チームともに攻めきれず流れが止まる。残り20秒を切ってファールゲームにきた葵企業に新生紙パルプ商事#7立花、#4近森がきっちりとフリースローを決め点差を開くと、葵企業の必死のシュートを食い止め5点差で新生紙パルプ商事が勝利した。「なんとか勝てて良かったです。このリーグ戦はいろいろありましたが、少しずつ良くなってきたところもあります。秋に向けてしっかりとチームを立て直したいです」と新生紙パルプ商事キャプテン#9遠藤は安堵の表情を見せた。敗れた葵企業はあと一歩のところで初のJIC出場を逃すこととなった。この日3ポイントシュート5本を含む25得点の#15永田はアシスト賞を受賞するも「やはり勝たないと。今日の試合は終盤足がつってしまってダメでした。また秋に頑張ります」と語った。
MVPは田ヶ谷(横河電機#20)、新人賞は山本(日本無線#7)が受賞。MVPの田ヶ谷は得点王と、新人賞の山本はリバウンド賞とのダブル受賞となった。ベスト5は優勝した横河電機で故障中の#19神崎に代わりPGとして優勝に貢献した梅田(#13)と2位に入った三井住友銀行から佐藤(#31)がともに2年目で初受賞となった。また、葵企業#15永田が2位以下を大きく引き離してアシスト賞を受賞した。
24日(土)の1-2部入替戦は7位の東京日産と2部2位の三井住友海上の対戦となる。
男子1部の予定&結果はこちら
男子1部最終結果はこちら
2部:ブロックでのリーグ戦は終了し、Aブロックは大塚商会、Bブロックはメディセオの優勝で終わった。しかし1-4位順位決定戦1回戦でAブロック優勝の大塚商会はBブロック2位の三井住友海上に敗れ、Bブロック優勝のメディセオはAブロック2位の富士通に敗れ、1部昇格へのチャレンジはならなかった。大塚商会は序盤からチームのリズムができず、開始5分で10点のビハインドとなる。三井住友海上は第1Pで4本の3ポイントシュートを含む26得点で大塚商会に14点差をつける。第2Pに入り大塚商会#15羽賀の3ポイントシュートから流れを引き寄せると、5分で1点差まで追い上げる。ここで三井住友海上が粘りを見せ、8点リードして前半を折り返す。しかし後半開始1分半で大塚商会が同点に追いつくとシーソーゲームとなり、第3P終了間際に大塚商会#32長谷川が3ポイントシュートを決めて、大塚商会の3点リードで最終Pに入る。第4P序盤、ターンオーバーが多く攻めきれない大塚商会に対し、三井住友海上が勢いに乗ると4分間で7点リードとする。しかしここでファールトラブルで厳しい状況ながらチームを牽引する大塚商会#11月野が流れを作り残り5分を切って2点差に追いつく。ここから三井住友海上が2~4点リードで進むも、残り1分を切って大塚商会のシュートが決まらない。ファールゲームとなった試合は三井住友海上がフリースローを決め点差を広げ、三井住友海上が10点差で勝利した。猛暑の中、ファールトラブルを抱えながらも最後まで戦いきった三井住友海上は試合後も興奮した様子も見られた。「相手がどことかではなくともかくうちのバスケットをしようと話していました。今日は暑かったこともあって選手の疲労を考えてベンチワークを行いました。最後はメンバーを変えなかったのですが、あのメンバーはほぼスタートメンバーですから、彼らを信じていました。ようやく1部復帰の挑戦権を得たことになります。明日も頑張ります」と今シーズンからコーチとなった#5柏木は語る。「今日はプレータイムも上手くコントロールしてもらって疲れもそれほどなくやれました。自分は2部になってから入ったので1部は経験していません。1部でやりたいですね」とPG#18前川はホッとした表情で言った。Bブロックを全勝で優勝したメディセオはAブロック2位の富士通に序盤から流れを作られると防戦一方となった。なんとか立て直しを図るも続かず点差はどんどん離れていく。結局48点差をつけて富士通が圧勝した。リーグ戦第1戦で大塚商会に敗れた富士通だが立て直しに成功。「今はみんな自分のやるべきことも分かってきて、チームとしてまとまってきました。明日は勝って1部復帰を決めたいです」とキャプテン#1阿部は語った。メディセオの流れができなかった原因の一つにリバウンドが挙げられるが、182㎝の身長ながらなんども飛び込みリバウンドで流れを引き寄せた富士通#14石井。「リバウンドは意識しています。得点は他の選手も取れているので今日はあまりシュートを打つこともなかったのですが、勝利に貢献できてよかったです。次も頑張ります」と笑顔だった。翌日行われて1-2位決定戦は序盤で富士通がリードを奪うが、粘る三井住友海上はなんども追い上げを見せる。しかし最後は富士通が引き離し勝利、1部昇格を決めた。「これで来シーズン1部でやれます。よかったです。うちは人数が多いのでいいところもありますが、大変な部分もあります。チームが一つになっていけるようにこれからも頑張ります。次は関東実業団選手権で確実にベスト8入りして全実出場を決めたいです」とキャプテン#1阿部は喜びを語った。敗れた三井住友海上は1部昇格をかけ24日(土)に東京日産(1部7位)と対戦する。
その他の順位決定戦は5-6位決定戦が最後まで接戦となるもプレス工業#14瀬戸が終了間際に決勝の3ポイントシュートを決め5位となった。敗れた日立大みかだがこの日は仕事の関係でメンバーが少なくコーチも不在の状態の中、#8越田を中心に懸命なプレーを見せた。NTT同士の対戦となった7-8位決定戦はNTT東日本東京が第2PでNTTデータを引き離すとそのまま勝利、7位を決めた。8位となったNTTデータは持ち味を出せないまま終わった。9-10位決定戦は主力がほとんどいない警視庁に伊藤忠商事が勝利した。11-12位決定戦はここもメンバーが少ない東京トヨペットが苦しい展開となり、富士通ゼネラルが勝利した。9~12位の4チームは7月24日(土)に3部A~D1位のチームとの入替戦に臨むこととなる。また、7月24日には3-4位決定戦も行われる。
男子2部の予定&結果はこちら
3部:2部昇格に向けて7月24日の入替戦に臨むのは次の4チーム。Aブロック住友商事、Bブロック三菱東京UFJ銀行、CブロックJFE東日本京浜、Dブロック東京消防庁。
4部:各ブロック優勝の8チームが7月24日の入替決定戦で対戦し、勝利した4チームが3部に自動昇格となる。Aブロック本田技術研究所、BブロックC.K.東京、Cブロック三井物産、Dブロック三井住友銀行本社、Eブロック東芝府中、Fブロック千代田化工、Gブロックキャノン、Hブロックテイ・エステック。
5部:Aブロック丸紅本社、Bブロック沖電気東京、Cブロック東京国税庁、Dブロックテプコシステムズ、Eブロック楽天、Fブロック三菱化学、Gブロックティップネス(1位)日立情報(2位)の8チームが4部へ自動昇格。
女子
1部:2次リーグ第1戦を終え、上位リーグは三井住友銀行が1勝、丸紅が1敗となっていた。第2戦はメディセオと丸紅が対戦。中盤まで競ったが、メディセオが引き離し勝利した。そして最終日、勝った方が優勝となる三井住友銀行とメディセオの対戦は一進一退の攻防が続く激戦となった。第4Pからメディセオが三井住友銀行を引き離すとそのまま勝利し、4年ぶり2回目(クラヤ三星堂を含む)の優勝を決めた。2位に最終戦で敗れた三井住友銀行、3位が丸紅となった。下位リーグはTOTOが3戦全勝で4位、5位に東芝府中、6位が特別区となり、6位の特別区は7月24日(土)の1-2部入替戦に臨むこととなった。最優秀選手賞(MVP)はメディセオ#8橋住が初受賞、新人賞は三井住友銀行#10綱川が選ばれた。5位までの5チームが9月の全日本実業団バスケットボール競技大会に出場することとなる。
2部:Aブロックは伊藤忠商事が、Bブロックは山武が、それぞれ4戦全勝で1位となった。この2チームが1部6位との入替戦をかけて対戦した2部1-2位決定戦は第4Pで山武が伊藤忠商事を引き離し勝利した。1-2部入替戦は7月24日(土)に1部6位の特別区との対戦で行われる。
関東実業団バスケットボール連盟
取材・編集・作成 渡辺美香
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