10月11日に最終日を迎えた東京都実業団選手権大会のレポートを中心に、開幕したJBL2と、組み合わせが発表された2つの大会の紹介と、トピックスを掲載。
☆東京都実業団選手権
東京都実業団バスケットボール選手権大会は日本無線の5年ぶり3回目の優勝で幕を閉じた。この大会は実業団はもちろん社会人の王者でもある横河電機がセカンドチームで臨むこともあり、大会の位置づけが微妙なところもあるが、この大会の優勝から飛躍するチームも多く、ある意味チャンスの大会とも言える。
ベスト8からの登場となったトップシードの4チームだったが、新生紙パルプ商事が葵企業に敗れベスト4入りを逃した。また、セカンドチームで臨んだ横河電機は2部の大塚商会に苦戦、ギリギリのところで逃げ切った。日本無線は東京日産に勝利。三井住友銀行もメディセオを危なげなく退け勝利した。
準決勝では今一つリズムに乗れない三井住友銀行を日本無線が退けて4年ぶりの決勝に進んだ。準決勝もセカンドチームの横河電機に対し、葵企業が粘り勝ち。横河電機は昨年に続き準決勝で敗れた。
昨年の準決勝と同じ顔合わせとなった3位決定戦。セカンドチームの横河電機が#19神崎を中心に崩れることなくゲームを展開。三井住友銀行はチームとしてのまとまりに欠け、主力のいない横河電機に勝つことができなかった。横河電機の新人#9山田は持ち前の身体能力を発揮し得点を量産したが、セカンドチームはメインチームに比べるとチームプレーの精度が低いこともあり、個人技が活かしやすい面がある。「とにかく攻めろと言われました。それ以外の細かなことは言われていません。主力のチームは細かな決まりごとがあるので今回とは違いますが、これからはもっと気持ちを出してやっていきたいです」と#9山田。また、#5笹、#20田ヶ谷がいるインサイドでは#21小西が活躍。「上に迫れるように頑張ります」と今後に向けて抱負を語った。横河電機の主力は全日本実業団競技大会後公式戦を経験せず、11月6・7日の全日本社会人選手権に臨むこととなる。敗れた三井住友銀行は「チーム状態がよくない」と口々に出た。リーグ戦終盤から全日本実業団競技大会にかけて「みんなが自分のやることを理解して、チームでプレーできている」とチーム状態の良さを保っていたが、ここにきて少しチームがバラバラになっている様子がある。若いチームだけに波はあるが、次の全日本社会人選手権までにどこまで修正できるか。
決勝は4年ぶりの日本無線と全ての大会を合わせても初の決勝となる葵企業の対戦となった。序盤、集中して入った葵企業がリードを奪う。しかし、日本無線がインサイドを活かして展開を始めると徐々に流れは日本無線に傾く。それでも葵企業は#15永田のシュートなどでリードを守るが、第3ピリオドに入ると#13上原がファールトラブルとなり、日本無線#7山本を止められなくなる。追いついた日本無線は勢いに乗りたいところだったが、ミスが出るなどでなかなか葵企業を引き離すことができない。第4ピリオドに入ると日本無線は#13福田大が積極的に得点を取りに行き、流れを引き寄せる。さらに要所で#6鈴木が得点し、葵企業を引き離していく。葵企業も最後まで粘りを見せるも追い上げることができず。日本無線が5年ぶりの優勝を決めた。「この優勝が次につながるかどうかは自分たち次第です」とホッとした表情を見せながらも#6鈴木は冷静に受け止めた。仕事の関係で練習にあまり参加できなくなった箱崎HCに代わって指揮を執ったのは小野ACだった。「今はちょっと仕事が厳しくて小野にやってもらってます。でも全てを任せるというのではなく、自分もできる限りサポートしていきたいと思っています」と箱崎HC。日本無線は8月に急逝した渡辺マネージャーの遺影をベンチにこの決勝戦を戦った。勝利が決まりベンチに戻る選手たちに#18鎌田が遺影を掲げると、選手たちは一人ひとり写真に手を当てた。「よかったです。喜んでくれてると思います」と#18鎌田。敗れた葵企業だったが、「自信になる試合だったと思う」と#15永田は手ごたえを感じていた。と、同時にチームとしての課題も浮き彫りに。「まだまだチームとして何をすべきかがしっかりと浸透できていないところがあります。そういうところをもっとよくして、2月の全実でベスト8に入れるようにしていきたいです」と、チームのシーズン最終目標に向けて、#4山口は改めて気持ちを引き締めた。
次は関東実業団選手権大会が10月23日からスタートする。東京都からは21チームが出場し、2月の全日本実業団選手権大会出場をかけての戦いが繰り広げられることとなる。
東京都実業団バスケットボール連盟
東京都実業団バスケットボール選手権の結果はこちら
☆JBL2 2010-2011
10月9日に開幕したJBL2(日本バスケットボールリーグ2部機構)2010-2011シーズン。今シーズンは変則スケジュールのため、第1週ではレノヴァが2試合行い、アイシンAWと新規参入のDライズは試合がなかった。
2連覇中の豊田通商は鹿児島でレノヴァと対戦。新人2人がスタートに入る新たな布陣でレノヴァに勝利した。レノヴァは前日にビッグブルーと対戦し勝利、第1週を1勝1敗とした。ホームの石川は新人#2綿貫の活躍もあり黒田電気に勝利。黒田電気は#13富田が怪我で不出場だったことが響いた。日立電線と豊田合成戦は接戦となったが、ホームの日立電線がわずかに3点差で勝利した。
第2週は豊田通商以外の8チームのゲームが行われる。新規参入のDライズは初のゲームを黒田電気と対戦する。
JBL2-日本バスケットボールリーグ2部機構
スポーツのミカタ:JBL2 2010-2011 第1週の結果(第2週の予定)
☆組み合わせ発表
全日本社会人選手権 11月6・7日 高知県
第6回全日本社会人バスケットボール選手権大会が11月6・7日の両日、高知県高知市の春野運動公園体育館で行われる。この大会は2011年1月1日から行われる全日本総合選手権(オールジャパン)の予選も兼ね、男女上位2チームがオールジャパンの出場権を獲得できる。男子は2年連続横河電機が、女子は3年連続で山形銀行が優勝している。
この大会はクラブ、実業団、教員のそれぞれのカテゴリーから上位チームが出場。男子はクラブ8チーム、実業団6チーム、教員2チームとなっている。実業団からは9月に行われた全日本実業団競技大会の上位6チーム(5位の旭川キシイが出場辞退のため7位の曙ブレーキ工業まで)が出場。昨年度2位となりオールジャパンに出場した新生紙パルプ商事は全日本実業団競技大会1回戦で敗れたため、今大会には出場しない。この大会がオールジャパンの予選を兼ねるようになってからまだ実業団以外のカテゴリーからのオールジャパン出場はない。そんな中、前回大会で3位に入ったSWOOPS(クラブ1位)が昨年以上の順位を狙っていることだろう。教員では8月の全日本教員選手権大会で優勝した滋賀教員がどこまでいけるか。教員チームで2回戦を突破しベスト4入りを果たしたチームはまだない。
社会人選手権出場チームの中には地方ブロックのオールジャパン予選に出場するチームも多いが、東京都の実業団チームは大会期間が重なることもあり、東京都のオールジャパン予選に出場しないため、この大会のみがオールジャパンへの道となる。
日本バスケットボール協会
(PDF)大会要綱・組み合わせ
関東実業団選手権 10月23日~11月23日 代々木第2体育館ほか首都圏
10月23日から始まる関東実業団バスケットボール選手権大会の組み合わせが10月14日に発表された。この大会は2011年2月に山口県で行われる高松宮記念杯全日本実業団バスケットボール選手権大会の関東予選を兼ねている。関東からは男子10チーム、女子6チームが全日本実業団選手権に出場できる。
男子ではトップシードの日本無線(東京1位)のブロックにNTTデータ(東京12位)やテイ・エステック(埼玉2位)が入った。第2シードの葵企業(東京2位)のブロックにはNTT東日本東京(東京11位)や警視庁(東京13位)が、第3シードの横河電機(東京3位)のブロックには東京電力(東京10位)らが、第4シードの三井住友銀行(東京4位)のブロックには日立大みか(茨城1位)や東京消防庁(東京14位)が入った。その他、第5シードは曙ブレーキ工業(埼玉1位)、第6シードが新生紙パルプ商事(東京5位)、第7シードが東京日産(東京6位)、第8シードに富士通(神奈川1位)となっている。1回戦では昨年初出場を果たしたALSOK新潟(新潟1位)と日立大みかの対戦や、警視庁と伊藤忠商事(東京21位)の対戦が興味深い。また、リーグ戦4部(来シーズン3部昇格)ながら東京16位に入った三井物産は1回戦を勝ち上がると、東京都実業団選手権と同じ大塚商会(東京8位)との対戦となる可能性が高い。
今回は社会人選手権がある6・7日には試合が行われないため、1ヶ月の日程ながら試合日数は8日間と短いものとなっている。初日の10月23日は駒沢屋内球技場で、そして最終日となる11月23日は代々木第2体育館で行われる。
関東実業団バスケットボール連盟
☆トピックス
JBL
JBL(日本バスケットボールリーグ)は2010-2011シーズンの第4週を終えた。現在、アイシンシーホースとトヨタ自動車アルバルクが6勝2敗、東芝ブレイブサンダースと日立サンロッカーズが5勝3敗、そしてリンク栃木ブレックスが4勝4敗となっている。第3週まで勝ち星のなかった三菱電機ダイヤモンドドルフィンズは第4週でパパソニックトライアンズに連勝し、レラカムイ北海道と3チームが2勝6敗で並んでいる。
第5週ではアイシンシーホースと日立サンロッカーズが対戦。ここで日立サンロッカーズは星の差を詰めることができるか、また、アイシンシーホースが引き離すのかが注目される。
JBL-日本バスケットボールリーグ
関東大学リーグ戦
関東大学リーグ戦1部2部は全9週のうちの6週まで終えた。1部は青山学院大が12戦全勝でトップを独走中。日本大と慶應義塾大が8勝4敗、東海大が7勝5敗、拓殖大と専修大が6勝6敗となっている。法政大は12戦全敗と白星がない。
2部は早稲田大が10勝2敗、大東文化大が9勝3敗、関東学院大と白鴎大が8勝4敗、さらに国士舘大と神奈川大が7勝5敗と上位は競った状態となっている。國學院大は12戦全敗。
今週末、1部の第7週は2日とも代々木第2体育館で行われる。全勝の青山学院大は慶應義塾大と対戦する。
関東大学バスケットボール連盟
取材・リサーチ・文・編集 渡辺美香 写真 唐松幸代、渡辺美香