スポーツのミカタ ウィークリー2010 vol.47
今号では関東実業団選手権を特集。さらにJBL2やオールジャパン予選など現在開催中の大会などの状況を紹介。
※スポーツのミカタ増刊号Nov.2010『全日本実業団競技大会2010』発売中!
☆関東実業団選手権2010
関東実業団バスケットボール選手権が11月23日(火・祝)に最終日を迎えた。この大会は高松宮記念杯第43回全日本実業団バスケットボール選手権大会の関東予選を兼ねており、関東からは男子は上位10チームが出場する。
準々決勝 結果はこちら
日本無線vs富士通、曙ブレーキ工業vs三井住友銀行、横河電機vs新生紙パルプ商事、東京日産vs葵企業の4試合すべて上位シードチームが勝利した。横河電機vs新生紙パルプ商事戦は序盤新生紙パルプ商事がリードする展開で始まったが、徐々に横河電機が追いつき逆転すると、最後は逃げ切っての勝利だった。
準決勝 結果はこちら
日本無線vs三井住友銀行戦は日本無線がリードする中、徐々に三井住友銀行が追い上げる。しかし終盤は日本無線が粘り強くプレーを続け、リードを守り切り勝利した。横河電機vs葵企業戦は好調にスタートした横河電機がリードするが、第2ピリオドは流れが変わり葵企業が逆転する。しかし第3ピリオド、スタートメンバーに戻した横河電機が再びリードを奪うとそのまま逃げ切り勝利、5年連続決勝に駒を進めた。
3位決定戦 結果はこちら
三井住友銀行vs葵企業戦はスタートで勢いに乗って葵企業が三井住友銀行の終盤の追い上げを振り切り勝利した。3位に入った葵企業#4山口は「みんなでやれたのがよかったです。この結果を2月に上手くつなげたい」と語った。敗れた三井住友銀行#4菊池は「9月のJICで期待以上の成績で上に行けたことや初の社会人選手権出場で試合数が多くなったことでコンディションが上手く調整できなかったところはあります。最近はシューティングの量も減っているのでシュートの確率も悪くなってます。2月までは少し時間があるので練習でしっかりと上げていきたいです」とこれからについて語った。
決勝戦 結果はこちら
3年連続同じ顔合わせとなった決勝、日本無線vs横河電機戦は序盤から集中して臨んできた横河電機に日本無線が粘りを見せる。なかなか日本無線を引き離すことができない横河電機だったが、リードを守り続けると、最後は粘る日本無線を振り切っての勝利で4連覇を果たした。「オールジャパンに出る日本無線に勝ちたかった」と横河電機#20田ヶ谷。全日本社会人選手権2回戦で九州電力に敗れオールジャパン出場を逃したことで、チームのシーズン最大の目標を失いバランスを欠いたゲームが続いたが、決勝戦はその意識もあり集中したプレーを見せた。優勝決定後、チーム全体に安堵の様子が伺えたことにその思いを垣間見ることができた。「社会人以降、チームのまとまりも悪くて、個々にも自信のないプレーが多くなってしまっていました。この決勝戦は試合前に日本無線に勝ってオールジャパンに出るチームと同等の力があることを示そうということを確認して臨みました。今シーズンは勢いの部分で今一つのところがずっとあったのですが、社会人で負けたことで“簡単には勝てない”ということを改めて感じることができました。これからまた2月の全実に向けてしっかりとやっていきたいです」(#20田ヶ谷)。今大会途中からスタートに復帰した#19神崎は優勝にホッとした表情で「この大会でもし優勝できなかったらチームにとってもかなり厳しいことになっていたと思う」と語った。敗れた日本無線は粘りは見せたもののあと一歩が届かなかった。今大会の横河電機の調子を考えると悔しい敗戦ではあるが、決勝戦では引き離されることなく最後まで粘りを見せたことはこれからにつながるだろう。
9・10位決定戦 1回戦の結果はこちら 2回戦(決定戦)の結果はこちら
ベスト8を逃した8チーム中2チームのみが全実に出場できる、その2チームを決める決定戦。1回戦の1つ三井住友海上は不戦勝で試合が行われなかった。東京電力はセンターの#0新家を欠き苦しい展開となり、大塚商会に敗れた。「全実に出場できないのは多分8年ぶりくらいだと思います。やはりセンターがいないのはきつかったですね。これでシーズンが終わってしまうので、次は早めに始動してリーグ戦に臨みたいです」と東京電力#70阿部。メディセオはNTTデータを後半で引き離し勝利した。好ディフェンスで前半を競った展開に持ち込んだNTTデータだったが、第3ピリオドのメディセオの流れを止めることができなかった。また、プレス工業はNTT東日本東京に圧勝した。
9位決定戦となるメディセオvs三井住友海上戦は序盤メディセオが流れを引き寄せリードする。三井住友海上は攻守にリズムが作れず厳しい展開に。しかし後半に入って三井住友海上がディフェンスを厳しくするとメディセオのリズムが崩れ三井住友海上が一気に逆転すると、最後まで全員で走り続け勝利、2年ぶりの全実出場を決めた。「今日は相手のスコアラーである#20(店橋)と#15(宇都宮)のところを抑えようというのがありました。#20はうちの(#3)前川がきっちりと守ってくれました。彼もいつもに増して気持ちが入ってて、普段から走りこみとかもやってたみたいです。全国行けてOKと言う訳ではないので、2月の全国でまたいい思いができるように頑張りたいです」とこの試合でプレーヤーとして活躍したヘッドコーチ#56柏木は語った。チームを牽引する#24高橋は「このチームは上(ベテラン)が引っ張って行ってくれているので、若い選手たちにその思いが上手く伝わっているように思います」とチームの成長を喜んだ。
10位決定戦の大塚商会vsプレス工業戦は序盤から勢いに乗る大塚商会に対しファールが嵩んだプレス工業が劣勢に回り、大塚商会が最後まで勢いを保って勝利した。「今年の目標が1部昇格と(2月の)全国に出るということだったのですが、リーグ戦で1部昇格ができなくてそこで少し崩れたことがありました。しかし全国に出るという目標があったのでそこはなんとか立て直すことができました。全国はチームとしても選手としても初めてなのでどうなるか分からないところはありますが、出るからには優勝を目指す気持ちでやりたいです」と#11月野はほっとした表情で語った。
関東から10チームが出場する高松宮記念杯第43回全日本実業団バスケットボール選手権大会は2011年2月11~14日に山口県周南市で行われる。
関東実業団バスケットボール連盟
日本実業団バスケットボール連盟
※後日フォトレポートを掲載予定。
☆JBL2 2010-2011
JBL2(日本バスケットボールリーグ2部機構)は11月20・21日の2日間で第8・9週となる8試合を行った。これで全チームが1回ずつ対戦したこととなり、この結果で2011年の全日本総合バスケットボール選手権(オールジャパン)出場チームおよびその推薦順位が決定した。
豊田通商はここでも2連勝し8戦全勝、JBL2・1位でオールジャパン出場を決めた。アイシンAWは21日の石川戦で敗戦したが、6勝2敗の2位をキープ。Dライズがこの2戦を連勝し3位に入った。4勝4敗の同率で3チームが並んだが、該当チーム同士の成績で豊田合成が他の2チームを上回り4位に。この2戦を連勝したレノヴァは4勝4敗としたが、豊田合成に1敗していることで4位には入れなかった。石川も4勝4敗としたが6位で1巡目を終えた。黒田電気とビッグブルーはまだ1勝のみとなっている。
第10週の11月27日には1位の豊田通商と2位のアイシンAWが対戦する。その他、28日の東京都練馬区の東京海上日動石神井体育館では同日に2試合が行われる。
JBL2-日本バスケットボールリーグ2部機構
☆トピックス
日本代表
日本代表は男女ともに現在開催中のアジア大会に出場。女子は昨日最終戦を行い、3位に入った。男子は昨日準決勝で韓国と対戦、わずかに4点差で敗れた。本日3位決定戦でイランと対戦する。
全日本大学選手権(インカレ)
第62回全日本大学バスケットボール選手権大会は現在女子が兵庫県尼崎市で開催中。ベスト8に拓殖大(関東1位)、山形大(東北1位)、筑波大(関東3位)、武庫川女子大(関西4位)、松陰大(関東2位)、白鴎大(関東7位)、天理大(関西6位)、愛知学泉大(東海1位)が入った(以上8チームのオールジャパン出場が確定)。本日26日に準々決勝、27日に準決勝と順位決定戦1回戦、最終日28日に決勝と3~8位までの順位決定戦が行われる。
翌11月28日からは男子が東京都渋谷区の代々木第2体育館でスタートする。最終日は12月5日で会場は全て代々木第2体育館で行われる。
全日本大学バスケットボール連盟
オールジャパン予選
地方ブロックからのオールジャパン出場を決める予選大会が行われている。先週末は四国で出場チームが決定した。今週末は関東、そして最後に北海道が12月5日に決定、同じ日に終了するインカレで学生の推薦順位も決定し、翌12月6日に組み合わせが決まることとなる。
各地のオールジャパン予選
北海道 12月3~5日 江別
東北 男子:JR東日本秋田(秋田県)、女子:秋田銀行(秋田県)※優勝は山形銀行
関東 11月27・28日 埼玉県深谷市
北信越 男子:新潟教員(新潟県) 女子:足羽高(福井県)
東海 男子:EDGE・1(静岡県) 女子:イカイ(静岡県)※優勝した愛知学泉大はインカレベスト8入りし学生枠での出場となるため、2位のイカイが繰り上げ。
近畿 男子:はじめましてメイクアップ(大阪府) 女子:大阪人間科学大(大阪府)
中国 男子:Beans(広島県) 女子:環太平洋大(岡山県)
四国 男子:愛媛教員クラブ(愛媛県) 女子:今治オレンジブロッサム(愛媛県)
九州 男子:福太郎クラブ(福岡県)※優勝は九州電力 女子:鹿屋体育大(鹿児島県)
取材・リサーチ・写真・文 渡辺美香