レポート

全日本実業団選手権2011 大会展望

 2月11~14日までの4日間、山口県周南市と下松市(11・12日のみ)で行われる高松宮記念杯第43回全日本実業団バスケットボール選手権大会。今大会は日本実業団バスケットボール連盟創立50周年の記念大会でもある。シーズンを締めくくる大会で、男子は32チーム、女子は16チームが出場する。
 大会はまず男女ともに4チームずつのブロックに分かれリーグ戦を行う(ブロック予選)。各ブロック1位のチームのみが決勝トーナメント(男子8チーム、女子4チーム)に進むことができる。
 前回大会では男子が横河電機の3連覇、女子が山形銀行の2連覇となった。また、男子の決勝は3年連続横河電機vs九州電力の顔合わせとなっている(九州電力は4年連続決勝進出)。

高松宮記念杯第43回全日本実業団バスケットボール選手権大会
会期:2011年2月11日(金・祝)~14日(月)
会場:キリンビバレッジ周南総合スポーツセンター(11~14日)、下松スポーツ公園体育館(11・12日)

日本実業団バスケットボール連盟

<大会展望>

男子
 今大会出場チームの中では最多出場が日本無線の41回(2位が黒田電気の34回)、最多優勝回数が横河電機の4回(2位がJR東日本秋田の2回)、最多連続出場が黒田電気の21年連続(2位が三井住友銀行の17年連続)。初出場は仙台銀行、また豊田自動織機は20年ぶりの出場となっている。
 トップ4シードの横河電機九州電力JR東日本秋田日本無線の4チームが優勝候補の筆頭にあげられるだろう。前回大会3位(ベスト4)に入った三井住友銀行はブロック予選を勝ち上がると決勝トーナメント1回戦(準々決勝)で同じく決勝トーナメントを勝ち上がった場合の九州電力との対戦となる。過去のこの2チームの対戦は全て九州電力が勝利している(前回大会では準決勝で対戦)。また、昨年ベスト8入りした8チームのうちホシザキ新生紙パルプ商事が同じブロック、4年前準優勝し4年ぶりに出場する旭川キシイは前回大会で9年ぶりに決勝トーナメント進出を果たした曙ブレーキ工業と同ブロックとなっている。Eブロックは惜しいところで決勝トーナメントを逃してきた葵企業と9月の全日本実業団競技大会で初のベスト8入りを果たしたタツタ電線が入っている。

ブロック予選
Aブロック
横河電機(関東1位)、APEX(東海2位)、三井住友海上(関東9位)、浪速酸素(近畿7位)
 ここは横河電機が盤石か。今シーズンは今一つ爆発力に欠ける感はあるが、やはり安定感は頭一つ抜けている。APEXは怪我人が復帰し、#7高久がチームにフィットしてきていれば横河電機を脅かす可能性もある。2年ぶりの出場の三井住友海上は全員バスケでトップチームに挑みたいところ。

Bブロック
九州電力(九州1位)、黒田電気(近畿2位)、大塚商会(関東10位)、豊田自動織機(東海6位)
 ここも九州電力がトップだろう。今シーズン怪我人などで苦しい状況の黒田電気はどこまでチームを回復させているか。また、大塚商会は岡村HCのもと厚い選手層で関東10位ながら上位進出を目指している。これら強豪を相手に20年ぶりの出場となる豊田自動織機には最後までチームとして戦っていきたい。

Cブロック
JR東日本秋田(東北1位)、富士通(関東8位)、NTT西日本大阪(近畿3位)、三菱自動車(東海5位)
 JR東日本秋田がやはり頭一つ抜けている。前回大会のブロック予選で九州電力相手に最後まで粘りのプレーで接戦を見せた富士通は若い選手が多く、勢いに乗れば怖い存在だろう。

Dブロック
日本無線(関東2位)、日立笠戸(中国2位)、三菱電機三田(近畿4位)、ルネサスSKY(九州2位)
 ここも日本無線が勝ちあがる可能性が高いだろう。対抗できるチームを挙げるのはなかなか厳しい。地元山口での大会、日立笠戸は十分に力を発揮していきたい。日本無線を脅かすチームは現れるか。

Eブロック
葵企業(関東3位)、タツタ電線(近畿1位)、昭和四日市石油(東海3位)、西野製作所(北陸)
 激戦ブロックの一つ。葵企業とタツタ電線、どちらが1位になってもおかしくない。葵企業はタツタ電線のインサイドにどう対抗するか、逆にタツタ電線は葵企業の得点力のあるフォワード陣をどこまで止めていけるかが鍵となるか。粘り強いプレーを見せる昭和四日市石油と西野製作所も上位チームを脅かしたいところ。

Fブロック
ホシザキ(東海1位)、新生紙パルプ商事(関東6位)、日新シール工業(近畿5位)、四国電力(四国)
 激戦ブロックとなるだろう。前回大会でベスト8入りしたホシザキと新生紙パルプ商事の争いとなるか。両チームともに9月に行われた全日本実業団競技大会で1回戦敗退、社会人選手権出場も逃している。また両チームともに波のあるチームのため今大会でもどうなるかが予想できないところがある。古豪チームの1つである四国電力は1位争いに絡めるか。昨年初出場を果たした日新シール工業は1勝を目指したい。

Gブロック
三井住友銀行(関東4位)、東京日産(関東7位)、仙台銀行(東北2位)、丸紅(近畿6位)
 ここは三井住友銀行がトップか。東京日産も勢いに乗れれば迫ることができるだろう。初出場の仙台銀行は#21川崎(明治大)や#54相澤(東北学院大)ら若いメンバーが主力のチームという。これからに期待する意味でも今大会での戦い方が気になるところ。

Hブロック
曙ブレーキ工業(関東5位)、ナカシマプロペラ(中国1位)、旭川キシイ(北海道)、NTT西日本東海(東海4位)
 ここも激戦が予想されるブロック。曙ブレーキ工業が前回大会で決勝トーナメントに進んでいるが、今年9月の全日本実業団競技大会では旭川キシイに敗れている。また、ナカシマプロペラも今年は怪我人などで全日本実業団競技大会でも1回戦で曙ブレーキ工業に敗れているが、前回大会では僅差の接戦となっていた。旭川キシイは4年前に準優勝して以来の出場となる。過去6回出場しベスト4に3回入っている強豪チーム。

女子
 現在2連覇中で今年のオールジャパンで3回戦まで進んだ山形銀行が最有力。追うのは女子最多出場(29回)の鶴屋百貨店と丸紅、もしくは秋田銀行、三井住友銀行か。丸紅と秋田銀行はブロック予選で対戦。前回大会で丸紅が勝利しベスト4入りを果たしている。

Wブロック
山形銀行(東北1位)、OTCくきや(近畿2位)、メディセオ(関東4位)、NEC府中(関東7位)

Xブロック
鶴屋百貨店(九州)、TOTO(関東3位)、日立笠戸(中国)、今治オレンジブロッサム(四国)

Yブロック
丸紅(関東1位)、秋田銀行(東北2位)、大阪ガス(近畿3位)、特別区(関東6位)

Zブロック
三井住友銀行(関東2位)、滋賀銀行(近畿1位)、イカイ(東海)、東芝府中(関東5位)

リサーチ・文 渡辺美香

全日本社会人選手権2010 大会展望

 第6回全日本社会人バスケットボール選手権大会が11月6・7日に高知県高知市で開催される。この大会は全日本総合選手権(オールジャパン)予選も兼ね、男女上位2チームがオールジャパン出場となる。男子はクラブから8チーム、実業団から6チーム、教員から2チームが出場し、全16チームで争われる。

<過去の大会結果>
第1回 優勝:豊田合成 準優勝:JR東日本秋田 3位:黒田電気、横河電機
第2回 優勝:横河電機 準優勝:ガリバークラブ 3位:アイシンAW、日本無線
第3回 優勝:九州電力 準優勝:新生紙パルプ商事 3位:横河電機 4位:ホシザキ
第4回 優勝:横河電機 準優勝:JR東日本秋田 3位:九州電力 4位:東京日産
第5回 優勝:横河電機 準優勝:新生紙パルプ商事 3位:SWOOPS 4位:九州電力
※第3回大会からオールジャパン予選となり、3位決定戦を行っている。

 過去の大会を見るとベスト4には過去に2回クラブのチームが入っているが、その他は全て実業団が占めている。また、オールジャパン予選となって3回のうち2回横河電機が優勝している。
 今大会では昨年のベスト4入りしたチームのうち準優勝の新生紙パルプ商事が出場しない。過去に2回準優勝しているチームだけに不出場の影響は大きいかもしれない。その新生紙パルプ商事に代わって実業団2位で出場するのが初出場の三井住友銀行。過去に優勝の経験のある九州電力は実業団5位で、また準優勝を2回しているJR東日本秋田は実業団3位で出場する。

<大会展望> 組み合わせはこちら(PDFファイル)
 2年連続3回の優勝がある横河電機が優勝候補の筆頭となるが、同じブロックに過去優勝の九州電力、準優勝2回のJR東日本秋田がいることもあり優勝までの道のりは厳しいかもしれない。また、クラブ2位のHAMASHO CLUB NAVIOの存在も気になるところ。逆サイドには昨年3位に入ったクラブ1位のSWOOPSと昨年は1回戦敗退したが実力のある日本無線、そして実業団2位として初出場する三井住友銀行が争うことになるか。曙ブレーキ工業もでき次第では上位が狙える可能性もある。

 1回戦は8試合すべてがクラブvs実業団クラブvs教員の対戦となる。教員1位の滋賀教員は初出場。今大会ではクラブの1位、2位と教員の2位、1位がそれぞれ対戦するため、教員チームの1回戦突破はかなり厳しいことが予想される。実業団はクラブの3位以下のチームとの対戦と言うこともあり、確実に1回戦突破をしていきたいところ。順位的にはクラブ3位の三種体協琴丘と実業団6位の曙ブレーキ工業の対戦やクラブ4位のBUBBLESと実業団5位の九州電力の対戦が気になるところ。

文 渡辺美香

千葉国体成年男子 大会レポート(1回戦)

 9月26日(日)から29日までの4日間、千葉県船橋市で行われたゆめ半島千葉国体バスケットボール競技成年男子。その1回戦の模様をレポートします。

関連サイト
第65回国民体育大会 ゆめ半島千葉国体2010 バスケットボール競技

<1回戦>
2010年9月26日(日) 船橋市運動公園体育館
●石川 65 ( 23-9  11-17  10-25  21-26 ) 77 兵庫
 序盤は石川が#15高村の3ポイントシュートなどでリードする。攻守にリズムが作れない兵庫は#14阪下が個人技で応戦しなんとかつなぐも、第1ピリオドで14点のビハインドとなる。しかし第2ピリオド以降、兵庫#15谷をはじめとして兵庫のアウトサイドシュートが高確率で決まり始めると、点差は徐々に詰まっていく。後半、勢いに乗った兵庫は一気に追いつくと逆転する。なかなかリズムに乗れない石川は#11宮村がインサイドで健闘するが点差は縮まらない。兵庫がそのままの勢いを保ち初戦を勝利した。
 兵庫はチームの雰囲気も良く、ベンチ全体が関西独特の明るさのあるチーム。クラブチーム、実業団、大学と様々なカテゴリーから選抜されたメンバーの中、ただ一人JBL2でプレーする#14阪下(豊田合成スコーピオンズ)は自身のチームではあまり見られない積極的に得点に絡むシーンが何度も見られた。プレータイムも長く、チームからの信頼がうかがえた。「豊田合成だと得点を取る選手がいるのでここまでやらなくてもいいということはあります。このチームではやはり意識して攻めるようにはしていますね。チームの雰囲気もいいので楽しくやれています」と試合後、阪下は笑顔で言った。
 石川はJBL2・石川ブルースパークスの選手が9人と単独に近いチーム構成となっている。しかし、PG北村が入れなかったことは大きかったように見えた。#8山田が不調の様子で、合わせからのカットインなど相手ディフェンスを崩す動きが十分できなかったことでオフェンスのリズムが作れなかった。
Hyogo1 Hyogo2
Ishikawa1 Ishikawa2 Ishikawa4 Ishikawa6

●愛媛 65 ( 26-13  5-18  19-24  15-14 ) 69 岡山
 愛媛は走る展開でリードを奪うが、岡山が後半#10納谷の3ポイントシュートなどで得点を伸ばし逆転。愛媛も最後まで粘り終了間際には1点差にまで迫るも岡山が逃げ切った。
 岡山はクラブチームと実業団の混成に大学の選手を加えたチーム構成。要は#10納谷(ファイサンズ岡山)であり、JBLでプレーした経験と身体の強さ、シュートの正確さでチームを牽引している。
 愛媛は愛媛教員がメインのチーム。全日本教員選手権では優勝した滋賀教員に肉薄する戦いぶりを見せていた。走り続ける体力と気力の強さで追いすがったが、あと一歩届かなかった。
Okayama4 Okayama5 Okayama6 Okayama7
Ehime1_2 Ehime2 Ehime3

山口 65 ( 21-18  18-17  15-9  11-18 ) 62 北海道●
 山口がリード、北海道が追いつく展開で前半を終えるが、後半に入って山口がリードを拡げ、第3ピリオド終盤には14点差まで開く。しかし終盤、北海道が持ち前の粘りで追い上げ終了間際には3点差にまで迫るも、山口が逃げ切った。
「本当に怖いチームです」と試合後、山口#10中川(九州電力)は言った。北海道のメインとなっている実業団の旭川キシイのその粘り強さはつい1週間前にも目にしたばかりだった。「絶対あきらめない。最後はもつれるんですよ。本当に怖いです。ボールが止まっているときにはきつそうにしているのに、いざプレーが始まるとめちゃくちゃ動くんですよね。どれだけ体力があるのかって思います」という中川の感想は旭川キシイを知る人たちのほぼ全員が思っていることとも言えるだろう。山口チームは来年の国体に向けて強化チームであるクラブチームを作った。そこにふるさと選手として県外のチームであるJBL2、実業団、大学に所属する地元の選手を加えている。#7堀(JBL2・黒田電気)と#10中川は高校時代の1年先輩後輩の仲。「堀さん集中しないから自分が言わないとだめなんですよ」と後輩の中川が言うと、「こいつがうるさいんで、おかげで集中してやれてます」と笑う先輩の堀。国体チームならではの雰囲気とも言える。
 北海道は実業団の強豪・旭川キシイがメインのチーム。旭川キシイは1週間前、全日本実業団競技大会でわずかに7人で2日間3試合を戦い切り5位に入った。この試合でも最後まであきらめず点差を縮め、あわやと思われる状況まで持ち込んだが、最後はわずかに3点差に泣いた。
Yamaguchi2 Yamaguchi3 Yamaguchi4 Yamaguchi5
Hokkaido1_2 Hokkaido2 Hokkaido3 Hokkaido4

●愛知 60 ( 18-12  9-15  14-20  19-14 ) 61 東京
 スタートは愛知が攻守にペースを握る。東京は緊張からかミスが多く、シュートも決まらず開始から5分間無得点が続く。しかし東京のインサイドが徐々に機能し始めると追い上げ、前半を同点で折り返す。後半に入ると形勢は逆転。愛知の#6伊與田、#13吉田の2ガードに対し、東京も#4宮田、#13立花で応戦すると、東京がペースをつかみ徐々に愛知を引き離していく。愛知も粘りを見せ10点以上引き離されることなくついていくと、終盤#6伊與田、#13吉田のアウトサイドがきわどく決まり追い上げる。しかし愛知は1点差まで迫るも東京の得点を止められずあと一歩が追いつけない。フリースローで4点差となった終了のブザーの直前、愛知#13吉田がディフェンスのきわどいチェックをものともせず3ポイントシュートを決めるも、東京がわずかに1点差で逃げ切り勝利した。
 東京がそれまではクラブチーム主体だった国体チームを実業団主体としてから6年。2年前のフルエントリーの年はJBL2・黒田電気が単独チームで出場したこともあり、この実業団主体のチームが本国体に出場するのは今回が初となる。6年前から関わる選手、関係者はそれほど多くはないが、それでも念願の本国体出場、そして初戦の勝利に喜びを隠せない様子だった。「出だしはどうなるかと思いましたが、勝ててよかったです」と、東京#4宮田は試合後ホッとした表情でそう言った。JBL2・アイシンAWがほとんどの愛知チームは若い選手が多く、宮田は知らない選手が多かった様子。「あの#13はすごいですね。ちょっと離すとすぐに打ってくるし、それがまた入る。すごいですよ」とマッチアップした愛知#13吉田を評価した。そして「今日は(#13)立花がよくやってくれて、おかげで勝てました。自分は何も仕事ができなかったので、明日は頑張ります」と2回戦に向けての意欲を語った。
 愛知は逆転での惜敗に悔しさを見せた。アイシンAWのキャプテンでもある#9鈴木は「残念ですが仕方がないですね。まだまだです」と厳しい表情だった。
Tokyo1 Tokyo2 Tokyo3 Tokyo4
Aichi2_2 Aichi4 Aichi5 Aichi8

取材・写真・文 渡辺美香

全日本実業団選手権 男子準決勝・女子決勝の展望

 2月5日から始まった高松宮記念杯第42回全日本実業団バスケットボール選手権大会も8日に最終日を迎える。残すは男子準決勝、決勝と女子決勝の4試合。
 男子の準決勝。ベスト4には昨年と同じ3チーム(横河電機九州電力JR東日本秋田)と2年ぶりのベスト4入りを果たした三井住友銀行となった。
 女子の決勝は23年ぶりのベスト4入りを果たした丸紅を下し決勝に進んだ山形銀行と、5年連続ベスト4入りの三井住友銀行に勝利した鶴屋百貨店となり、昨年と同じ顔合わせとなった。

日本実業団バスケットボール連盟
スポーツのミカタ:全日本実業団選手権 最終日の予定
スポーツのミカタ:全日本実業団選手権2010(42nd)

<男子準決勝の展望>
横河電機 vs JR東日本秋田
 今シーズンは9月に行われた全日本実業団競技大会決勝で対戦、中盤まで競った展開となるも最後は横河電機が引き離し勝利している。その時に比べると両チームともに状況が変わり、横河電機はPG神崎が、JR東日本秋田は同じくPG佐藤正司がプレーできない状況の中で改めてチームを作ってきている。同じ正PGを欠くチーム作りとしてはJR東日本秋田の方が2か月程度長い準備期間があった分、チームとしての形はできてきているか。横河電機は準々決勝、同じ関東実業団の曙ブレーキ工業に苦戦、最後まで主力メンバーで戦わなくてはいけなかった。ここまである程度格下と言えるチームとの対戦ばかりだった横河電機に対し、JR東日本秋田はブロック予選でタツタ電線、準々決勝で新生紙パルう商事と強豪チームとの対戦を経験している。このことが試合結果にどう影響が出るか。

三井住友銀行 vs 九州電力
 前回大会の準々決勝と同じカードとなった。その時は九州電力が13点差で勝利している。経験からいえば過去4回出場のうち優勝1回、準優勝2回を果たしている九州電力が有利だが、三井住友銀行も若いメンバーながら関東のトップチームとの対戦などで経験を積み、チームとしての形ができてきている。両チームともに準々決勝では一度はリードを奪われながらも逆転し、さらに最後は振り切っての勝利だった。チーム状況としては九州電力は昨シーズン秋に怪我をした山口が復帰。本調子ではないというものの、準々決勝では勝負を決めた第4Pで得点、存在感を見せている。対する三井住友銀行はブロック予選最終戦で負傷した木村も準々決勝ではプレーできており、その他にも大きな問題はない様子。両チームともに状況次第で変わる不安定な面もあり、結果は予想が難しい。

<女子決勝の展望>
山形銀行 vs 鶴屋百貨店

 今シーズン3大大会(全日本実業団競技大会、全日本社会人選手権、全日本実業団選手権)全てが同じカードとなった。全日本実業団競技大会では鶴屋百貨店が、全日本社会人選手権では山形銀行がそれぞれ勝利し、現在1勝1敗となっている。ともにオールジャパンに出場したが、3回戦まで進みWJBLのチームに肉薄した山形銀行に対し、鶴屋百貨店は1回戦で大学チームに延長の末敗れている。過去の状況的には山形銀行の方が優勢な様子だが、今大会の様子を見ると、鶴屋百貨店の方が勢いがあるように思える。力が拮抗しているだけに、少しのミスやシュート確率、リバウンドといった基本的なところで勝敗は分かれそう。山形銀行が勝利すれば2年連続2回目、鶴屋百貨店が勝利すれば6年ぶり3回目の優勝となる。

取材・リサーチ・文 渡辺美香

全日本実業団選手権 男子準々決勝の展望

 高松宮記念杯 第42回全日本実業団バスケットボール選手権大会も2日目を終え、男子はベスト8が決定した。今大会は結果として波乱はなく、各ブロックのトップチームが全て勝ちあがった。
 準々決勝は2月7日(日)、長崎県立総合体育館で13時20分(予定)から、4試合が4コートで一斉に行われる。

日本実業団バスケットボール連盟
スポーツのミカタ:3日目の予定
スポーツのミカタ:全日本実業団選手権2010(42nd)

<男子準々決勝の展望>

横河電機(A1位) vs 曙ブレーキ工業(H1位)
 関東実業団のチーム同士の対戦。今シーズン2冠を取っている横河電機が優勢と言える。両チームともに正PGを欠くことになりそうだが、昨年末から予想できていた横河電機に比べ、前日の試合での負傷により急遽控え選手を使わざるを得なくなった曙ブレーキ工業では差は大きいか。曙ブレーキ工業はこの災難ともいうべき事態を逆に選手たちの士気や集中力の高まりにつなげたい。

新生紙パルプ商事(E1位) vs JR東日本秋田(D1位)
 今シーズンの成績からみると新生紙パルプ商事の方が優勢か。JR東日本秋田は正PGを欠いてのゲームとなるが、昨年秋から準備はしてきている。チームとしてのバランスは少し変わっており、それがいい方向に行くか、逆になるかは予想が難しい。新生紙パルプ商事はブロック予選を接戦もなく勝ちあがっており、接戦になるとどちらに試合が傾くかわからない。

日本無線(C1位) vs 三井住友銀行(F1位)
 関東実業団のチーム同士の対戦。両チームとも前回大会ベスト8で終わっており、ここは勝ちたいところ。特に日本無線はここ4年ベスト8止まりが続いており、この1勝にかける思いは強いだろう。力的には大きな差はなく、勢いに乗ること、ゲームをコントロールできることなどが重要になってくる。

ホシザキ(G1位) vs 九州電力(B1位)
 過去3年連続決勝に進んでいる九州電力に昨年初のベスト8入りを果たしたホシザキが挑む形になるか。挑戦を受ける形になる九州電力だがブロック予選最後の富士通戦を苦戦したことで危機感は高まっているだろう。ホシザキもブロック予選最終戦(東京日産戦)を前半接戦に持ち込まれたが、後半はしっかりと点差をつけて勝利した。過去に対戦経験がなく両チームともに対応が難しいところがある。試合前はもちろん試合中にも相手チームや試合の流れに対応していく力が強い方が勝利を得るだろう。

取材・文 渡辺美香

全日本実業団選手権 大会&ブロック予選の展望

 2月5日から4日間、長崎県長崎市で行われる高松宮記念杯 第42回全日本実業団バスケットボール選手権大会まであと3日となった。
 今大会は男子32チーム、女子16チームが出場。ブロック予選は男子は8ブロック、女子は4ブロックに分かれ、ブロック内総当たりで行われる。各ブロック1位のみが決勝トーナメントに進むことができる。

高松宮記念杯 第42回全日本実業団バスケットボール選手権大会
会期:2010年2月5~8日
会場:長崎県立総合体育館(5~8日)、三菱重工体育館(5・6日)

日本バスケットボール連盟

<大会展望>
男子
現在2連覇中の横河電機が最有力。今シーズンも現在2冠(全日本実業団競技大会と全日本社会人選手権)を取っており、横河電機を止めることのできるチームが現れるかが一つの注目点となる。社会人選手権2位でオールジャパンにも出場した新生紙パルプ商事九州電力JR東日本秋田などが対抗と思われる。オールジャパン初出場し1回戦を突破したタツタ電線はJR東日本秋田と同じブロック。また、社会人選手権で横河電機と対戦し終盤までもつれるゲームをしたホシザキもチャンスはあるだろう。

女子
大会2連覇中の山形銀行が優勝候補の筆頭。全日本実業団競技大会では怪我人も多く決勝で敗れたものの、その後は全日本社会人選手権優勝、オールジャパン3回戦進出と結果と残している。続くのは今シーズンの2大会で山形銀行と決勝戦で戦い、全日本実業団競技大会では6年ぶりの優勝を果たした鶴屋百貨店だが、予選ブロックを勝ち上がれば三井住友銀行にも十分チャンスはあるだろう。

<ブロック予選展望>
男子
Aブロック:横河電機(関東1位、前回大会優勝)、東京電力(関東9位)、日立笠戸(中国1位)、昭和四日市石油(東海6位)
横河電機(関東1位)と他の3チームとの力の差は大きい。他の3チームがトップチームに対しどこまでやれるか。特に来シーズンの関東実業団リーグ戦で1部に復帰する東京電力(関東9位)は今の力で通用する部分を見つけていきたいところ。また、この3チーム間の対戦も白熱が予想できる。

Bブロック:九州電力(九州1位、前回大会準優勝)、富士通(関東8位)、丸紅(近畿6位)、イカイマリンズ(東海5位)
優勝、準優勝と初出場の時以外は全て決勝に進んでいる九州電力(九州1位)。他の3チームは出場経験はあるが予選ブロックの勝利もあまりなく、ここも九州電力と他3チームの力の差は大きいと思われる。九州電力はこの大会のブロック予選では調子が出ないことが多いが、今大会はどうなるか。

Cブロック:日本無線(関東2位、前回大会ベスト8)、札幌市役所(北海道)、イカイレッドチンプス(東海3位)、浪速酸素(近畿7位)
 関東で常に上位3位以上に入る日本無線が有力。イカイレッドチンプスは石谷が怪我から復帰状況が鍵になるか。札幌市役所も力のあるチーム。日本無線は昨年の大会で予選ブロックを接戦に持ち込まれることが多く、そこから立て直せず準々決勝敗退となったこともあり、今大会では予選からしっかりと力を出していきたいところ。

Dブロック:JR東日本秋田(東北1位、前回大会3位)、四国電力(四国)、タツタ電線(近畿1位)、プレス工業(関東10位)
JR東日本秋田とタツタ電線の一騎打ちになるか。四国電力も力のあるチームだが、先の2チームとの対戦を考えると厳しいか。プレス工業は初めての出場で関東以外の地区の強豪と対戦できるチャンスを今後につなげたい。
注目カード:タツタ電線vsJR東日本秋田(6日県立総合体育館Bコート第3試合・13:20~)

Eブロック:新生紙パルプ商事(関東3位、前回大会3位)、山形市役所(東北2位)、黒田電気(近畿2位)、東邦ガス(東海4位)
今シーズンは社会人選手権で準優勝の新生紙パルプ商事が頭一つ抜けているか。黒田電気は昨年までJBL2・黒田電気に所属していた村岸が復帰(元々大阪の黒田電気に所属していた)。チーム状況は変わっているか。

Fブロック:三井住友銀行(関東4位、前回大会ベスト8)、葵企業(関東7位)、三菱電機三田(近畿3位)、NECSKY(九州2位)
2大会連続ベスト8入りの三井住友銀行に2年続けて惜しい試合を落としベスト8入りを逃してきた葵企業が挑戦する形となるか。新人が加入し戦力アップした三菱電機三田も侮れない存在だろう。
注目カード:三井住友銀行vs葵企業(6日県立総合体育館Aコート第4試合・15:00~)

Gブロック:ホシザキ(東海1位、前回大会ベスト8)、東京日産(関東6位、前回大会ベスト8)、日新シール工業(近畿4位、初出場)、北陸電力石川(北陸)
 昨年のベスト8入りしたチームが2チーム入っているブロック。高さも速さもあり、中も外も得点ができるホシザキが有力か。東京日産はここにきて選手の離脱もあり苦しいチーム状況だが、この大会との相性がいいところもあり期待できる。初出場の日新シール工業はどんなチームなのかわからないが、得点力があるチームのようで勢いに乗ると怖い存在となるかもしれない。
注目カード:ホシザキvs東京日産(6日県立総合体育館Aコート第1試合・10:00~)

Hブロック:曙ブレーキ工業(関東5位)、APEX(東海2位)、NTT西日本大阪(近畿5位)、ナカシマプロペラ(中国2位)
 Gブロックとは逆に昨年のベスト8入りしたチームがいないブロック。この中では一昨年、昨年と惜しいところでベスト8入りを逃していた曙ブレーキ工業が有力。東海2位のAPEXも力のあるチームだけに最後までもつれるか。

女子
Wブロック:山形銀行(東北1位、前回大会優勝)、滋賀銀行(近畿2位)、TOTO(関東4位)、大阪ガス(近畿3位)
 山形銀行が頭一つ以上抜けている。

Xブロック:鶴屋百貨店(九州、前回大会準優勝)メディセオ(旧クラヤ三星堂、関東3位)、日立笠戸(中国)、特別区(関東6位)
 鶴屋百貨店が最有力だが、メディセオは関東1部で厳しい試合を戦ってきており底力がある。

Yブロック:三井住友銀行(関東1位、前回大会ベスト4)、OTCくきや(近畿1位)、今治オレンジブロッサム(四国)、東芝府中(関東5位)
 三井住友銀行にOTCくきやがどこまで迫れるか。

Zブロック:秋田銀行(東北2位、前回大会ベスト4)、丸紅(関東2位)、イカイ(東海)、北國銀行(北陸)
 秋田銀行と丸紅の一騎打ちとなる様相。チーム立て直し中の秋田銀行がどこまでチーム力を挙げているか。丸紅にも十分勝機はあるだろう。

リサーチ・文 渡辺美香

オールジャパン2010 レポート(1)横河電機

横河電機~実業団常勝チームの挑戦~

2年連続2回目の出場 前回2回戦敗退
今シーズンの成績:関東実業団リーグ戦優勝(6年連続6回目) 全日本実業団競技大会優勝(3年連続3回目) 全日本社会人選手権優勝(2年連続3回目) 関東実業団選手権優勝(3年連続3回目)
 

『一番の目標』
 2年連続社会人1位としての出場となった横河電機。昨年は2回戦で学生1位の慶應義塾大に敗れており、今大会の目標は2回戦突破に置いていた。社会人、とくに実業団の世界ではここ数年ほとんど負け知らずの強さを持つこのチームにとって、今の一番の目標はオールジャパンでのJBLとの対戦だった。

 1回戦の対戦相手は福岡第一高。高校生とはいえセネガル人選手を擁し、高さは社会人に勝る。昨年の大会でも社会人2位で出場したJR東日本秋田が高校選手権優勝の延岡学園高に敗れている前例もある。「高校生だからと言って甘くは見られない。外国人選手がいることで条件は全く変わってくる」と大会前のインタビューで小納真良コーチは語っていた。2回戦でもセネガル人選手のいる天理大との対戦になることもあり対セネガル人選手の対策はしっかりと練っていた。さらに昨年の慶應義塾大との対戦で学生の速さに対抗できなかったこともあり、速さへの対策もおこなってきた。※大会前ヘッドコーチとキャプテンインタビューはこちら
 
 そんな横河電機に大会直前思わぬアクシデントがおきた。今シーズン要としてチームを作ってきたPG#19神崎が故障で試合に出られなくなったのだ。そのため今シーズンは神崎の控えとして10分程度プレータイムを持っていた小納コーチの双子の兄弟である#8小納真樹をスタートPGとして、大会までの短い時間の中で調整を行い大会に臨まなければならなかった。

『1回戦・福岡第一高戦』
横河電機 93 ( 21-8  25-12  24-11  23-12 ) 43 福岡第一高

 1回戦の福岡第一高は主力のセネガル人選手が直前に行われたウィンターカップで負傷しこの試合も欠場したことや、ウィンターカップ決勝からあまり日がたっていないこともあるのか万全の状態とは言えず、横河電機は圧勝で終えた。主力のプレータイムも抑え翌日の天理大との対戦に備えることができた。

 しかしその中でも課題は見えた。これまで要所で確実に3ポイントシュートを決め勝利を引き寄せていたシューター陣の不調だった。

「調子が悪かったですね。この会場の影響もないとは言えませんが、そんなことも言ってられないので。明日はなんとか決めていきたいです」(#17高木)
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『2回戦・天理大戦』
横河電機 62 ( 23-18  16-12  9-28  14-10 ) 68 天理大

 迎えた2回戦、学生5位の天理大との対戦。前半は経験で勝る横河電機が試合の流れをつかむ。

第1P:開始早々横河電機#20田ヶ谷がローポストから積極的に攻めファールをもらうと、フリースローをきっちりと決め先取点を取る。すかさず天理大も#5清水のミドルシュートで応酬。ここから両チームともに中外を織り交ぜての攻撃で一歩も引かない。残り6分20秒に天理大#1根来が2個目のファールでベンチに下がる。インサイドが手薄になった天理大に対し、横河電機#20田ヶ谷と#5笹が立て続けにゴール下に攻め込み連続得点で残り3分には17‐11と横河電機が6点のリードとなる。天理大も#10サンバのゴール下、#25平尾の3ポイントシュートで追い付くも、残り1分半にはパスミスが出てターンオーバーとなり、リズムに乗れない。インサイドが好調な横河電機は#20田ヶ谷、#5笹がさらに得点を加え点差を開く。天理大は#10サンバのミドルシュートがブザーと同時に決まり、第2Pにつなげる。
第2P:スタートから天理大は#2大谷、#25平尾のアウトサイド、横河電機は#5笹、#20田ヶ谷のインサイドで得点。残り8分、横河電機が得意のトランジションの速い展開で#5笹がバスケットカウントを決めると、流れは横河電機に。続けて速攻を繰り出し、残り6分を切って横河電機のリードは12点となる。粘る天理大は#5清水が果敢にドライブで横河電機のディフェンスを崩していくと、横河電機#5笹が3個目のファールでベンチに下がる。ここから流れは天理大に傾き、天理大#10サンバのゴール下などで6点差まで追い上げる。終了間際の残り10秒、横河電機#17高木が3ポイントシュートを決め、横河電機の9点リードで前半を終える。

 大会前「先手を取りたい」(小納コーチ)というプラン通り前半は勢いにのったが、インサイド陣のファールトラブルとPGが#8小納以外を使うことが難しい中、後半は厳しい展開となる。

第3P:ハーフタイムを挟み、第3Pは序盤から天理大が勢いに乗る。#1根来、#25平尾、#2大谷と立て続けに得点すると、さらに残り8分あまりには天理大#10サンバのダンクシュートが決まり、開始から3分足らずで同点となる。天理大のゾーンディフェンスになかなかリズムに乗れない横河電機は前半からコートに立ち続けている#8小納をベンチに下げるが、さらに流れが悪くなる。パスミスによるターンオーバーなどでオフェンスがつながらず、残り5分にはインサイドの核である#5笹が4個目のファールでベンチに下がる。すかさず天理大#10サンバがゴール下を攻めバスケットカウントを決めると、横河電機はタイムアウトを取る。ここから横河電機は合わせのプレーで得点を重ねるが、天理大のアウトサイドを止められず、徐々に点差が開く。横河電機10点のビハインドで第4Pへ。
第4P:両チームともにディフェンスを厳しくしたことと、インサイドのファールが嵩んだことで中を攻めることができない。ともに得点が伸びない第4P中盤、追う横河電機はタイムアウトを取りオフェンスを修正。すぐにセカンドチャンスから#14梶原が3ポイントシュートを決める。そのまま厳しいディフェンスで天理大のターンオーバーを誘い、速攻に走る#14梶原がファールを受け、そのフリースローを決めると 残り5分足らずで6点差に詰める。そこからシュートがなかなか決まらない横河電機は得点が止まり、残り2分に再びタイムアウトを取る。しかしシュートチャンスは何度もあるもシュートが決まらず追い上げられない。残り5秒に#14梶原が3ポイントシュートを決め4点差に詰めるも、時間がなく、終了間際に天理大にフリースローを決められ、6点差で天理大に敗れた。

 本来の得点源の一つである3ポイントシュートがわずかに4本(14.3%)しか決められず最後まで追いつくことができなかった。

「前半は考えていた通りにすすめられていたのですが、後半は相手のゾーンディフェンスを攻めあぐねたところもあって。それにシュートがあそこまで入らないと厳しいですね。ノーマークで打ってはいるのですが、それが入らない。入らないときにどういう形で決めていくのかが重要なのですが、上手く対応ができなかったです」(小納コーチ)
 神崎が試合に出られないとなってからの練習期間が少なく、練習そのものも十分なものにはならなかった。
「練習不足だったことはかなりあります。年末がほとんど練習ができなくて、できても人数が集まらず4対4くらいまでしかできていませんでした。チームとしては少し時間が足りなかったなと思います」(小納コーチ)
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『常勝チームに見えた課題』
「#19神崎がいれば結果は変わっていた」かもしれない。小納コーチも「今シーズンは(#19神崎)健を中心にチームをつくてきたので、健がプレーできる状態だったら勝ててた試合だったかもしれないです。(#8小納)真樹も試合には出てはいましたが、これほど長い時間出ることはなかったので」と言う。「仕方がないと言えば仕方がないことですね。まあ、負けです。完敗です」(小納コーチ)

 ここ2年あまり、このチームが“体力”“高さ”“走り”“リバウンド”などで負けていた試合はほとんどない。違うカテゴリーのチームとの対戦で改めてチームの課題が具体的に見えてきた。
「どの試合でもその試合その試合で対応していかないとこれからは厳しいと思うんです。やはり学生だと体力もありますし、ましてや外国人選手とかは普段の試合でやったことがないですから。そこはどんなチームにでも対応できるチームを作らないといけないと思っています」(小納コーチ)

 そんな中でも昨年に比べ伸びた部分も見られた。昨年の慶應義塾大戦(2回戦)ではほとんと太刀打ちできなかったインサイド陣だったが、この試合では前半互角以上にやれた実感はある。
「今日は前半はやれていたのですが、後半体力的に厳しくなって足が動かなくなりました。しかし去年の慶應大戦に比べると少しずつ学生ともやれるようになっている感触はあります。次は絶対勝てるように頑張ります」(#20田ヶ谷)

 横河電機のバスケットはシステムが難しく、新人が能力だけでプレータイムを得られるようなものではない。試合後奥山監督は「ああいう展開ではまだ(#13・新人)梅田は怖くて使えないからね」とつぶやいた。当の梅田は誰よりもそれを分かっていたのかもしれない。
「早く自分が健さんの控えになれるように、さらには健さんを超えてやるくらいの気持ちでやっていかないといけないです」(#13梅田、1回戦終了後)

 昨年の2回戦での慶應義塾大との敗戦から1年。目標としていた2回戦突破だったが、今年もまた“学生”の壁を超えることができなかった。
「同じバスケットなのですが、学生のバスケットと社会人のバスケットは全く違うものでもあります。学生はしっかりとトレーニングなどもしていますが、社会人は自分でいかにやっていくかが重要になります。今回少しチームも崩れてしまったところもあるので、また一からチームを作り直します」(小納コーチ)

取材・文・写真 渡辺美香

オールジャパン2010 男子2回戦の展望

 オールジャパン2010が1月1日にスタートした。1回戦を突破した8チームは2日の2回戦でJBL2の上位2チームと大学の上位6チームとそれぞれ対戦する。

第85回天皇杯・第76回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会
会期:2010年1月1日(金)~5日(火)、9日(土)~11日(月・祝)
会場:東京体育館(1~3日)、代々木第1体育館(4・5日、9~11日)
公式サイト

<2回戦>
1月2日(土) 会場:東京体育館
男子
12:00
C 新潟教員(北信越) vs 東海大(大学4位)
 2回戦進出を果たした新潟教員は学生4位の東海大と対戦。190㎝を超える高さの選手が複数いる東海大にどこまでやれるか。
D 慶應義塾大(大学2位) vs タツタ電線(近畿)
 初出場にして2回戦に駒をすすめたタツタ電線は大学2位の慶應義塾大と対戦となる。慶應義塾大は身長205㎝の岩下がいるが、タツタ電線は近畿総合で205㎝のサンバがいる天理大と対戦している。天理大、鹿屋体育大と大学チームとの対戦経験があることが影響するか。
13:40
C 天理大(大学5位) vs 横河電機(社会人1位)
 社会人1位の横河電機と学生5位の天理大の対戦。横河電機は普段なかなか205㎝という高さのある選手がいるチームとの対戦経験ができず、昨年も慶應義塾大の岩下の高さに戸惑いは大きかった。1年経って横河電機のインサイドがどこまで成長しているかが興味深い。また、天理大の4番ポジションの根来もリバウンドに強い。実業団ではリバウンドで試合の流れを持っていく横河電機が高さと上手さのある天理大のリバウンドにどう対応していくかも気になるところ。
D 愛媛教員クラブ(四国) vs 青山学院大(大学3位)
 ここも初出場ながら初戦突破した愛媛教員クラブは学生3位の青山学院大と対戦。青山学院大の速さにどこまで対応できるか。
15:20
C 石川ブルースパークス(JBL2・3位) vs 葛飾バックボーン(関東)
 現在JBL2のリーグ戦で2位に位置する石川は初出場の葛飾バックボーンと対戦。葛飾バックボーンは初出場とはいえ元JBL・東芝の野間、篠原、中元を擁している。勝負どころではこの3選手が同時にコートに立つこともあり、試合の流れを上手くコントロールしている。シュート力のある葛飾バックボーンに対してどこまでタイトなディフェンスができるかも重要だろう。
D アイシン・エイ・ダブリュアレイオンズ安城(JBL2・2位) vs 拓殖大(大学6位)
 現在リーグ戦3敗で3位のアイシン・エイ・ダブリュは1回戦を突破してきた拓殖大と対戦する。拓殖大の怖さは決まり始めると止まらない外角のシュートとトランジションの速さだろう。JBL2屈指のディフェンス力をもつアイシン・エイ・ダブリュがその勢いを止めることができるかが鍵となるか。 
17:00
C 豊田通商ファイティングイーグルス(JBL2・1位) vs 日立電線ブルドッグス(JBL2・4位)
 この1・2回戦で唯一同じカテゴリーの対戦となる。豊田通商は現在リーグ戦11戦全勝で1位、対する日立電線は現在5勝6敗で4位と結果を見れば明らかに豊田通商が有利と言える。豊田通商に気持ちの緩みが出れば試合は接戦に持ち込まれる可能性も十分ある。日立電線はミスをなるべく少なくし、好機を逃さないことが重要だろう。豊田通商は目標であるJBL(東芝)との対戦に向けて気持ちを引き締めてかかることが大前提となるだろう。
D 新生紙パルプ商事(社会人2位) vs 日本大(大学1位)
 2回目の出場でオールジャパン初勝利を挙げた新生紙パルプ商事は大学王者の日本大と対戦する。日本大のどこからでも得点できるオフェンスをディフェンスのいい新生紙パルプ商事がどこまで止めて行けるか。昨年国士舘大の快進撃で注目されたPG立花(新生紙パルプ商事)とインカレで一回り成長した姿を見せた日本大PG篠山の対決も楽しみなところ。

女子(予定のみ)
12:00
A 中村学園女子高(九州) vs 愛知学泉大(大学2位)
B トヨタ紡織サンシャインラビッツ(WJBL11位) vs 山形大(大学8位)
13:40
A エバラヴィッキーズ(WJBL10位) vs 松陰大(大学5位)
B 大阪人間科学大(近畿) vs 日立ハイテククーガーズ(WJBL9位)
15:20
A 山梨クィーンビーズ(WJBL12位) vs 拓殖大(大学3位)
B 筑波大(大学1位) vs 関西外国語大(大学6位)
17:00
A 山形銀行(社会人1位) vs 桜花学園高(高校選手権)
B 大阪体育大(大学4位) vs 環太平洋大(中国)

文 渡辺美香

オールジャパン2010 男子1回戦の展望

 オールジャパンまであと1日となった。1回戦に出場する地方のチームのほとんどが本日中に東京入りする予定。大晦日が迫る30日の夜も練習に励むチームもあった。
 いよいよ始まる2010年最初の大会。トーナメントであり3回戦まではあっという間に進み、3回戦終了時には32チームが8チームに絞られる。1・2回戦はJBLチームとの対戦権をかけての戦いとも言える。まずは1回戦の男子8試合を展望。
※資料でしかわからないチームもあり内容に偏りがあります。また、女子は資料も少ないので、ゲーム予定のみ掲載します。

第85回天皇杯第76回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会
会期:2010年1月1日(金)~5日(火)、9日(土)~11日(月・祝)
会場:東京体育館(1~3日)、代々木第1体育館(4・5日、9~11日)
公式サイト

1月1日(金) 会場:東京体育館
男子
14:00
C Beans(中国) vs 新潟教員(北信越)
 今年度の国体で準優勝した新潟国体のメンバーも多く在籍する新潟教員は3年連続13回目の出場となる。前回大会では1回戦で社会人1位の横河電機と対戦し敗れている。今大会こそ1回戦突破を狙いたい。Beansは初出場で、元埼玉ブロンコス(旧日本リーグ時代)の河相や元新潟アルビレックスBBの廣本が所属している。全国での経験があまりないため評価は難しいが、得点力は高いか。
D 鹿屋体育大(大学7位) vs タツタ電線(近畿)
 インカレで関東の法政大、中央大を破っている鹿屋体育大。粘り強くディフェンスをして、シュート確率よく得点を挙げていく。タツタ電線は実業団でもなかなか上位(全国大会バスト8以上)には入れないが、今シーズンは野々口が加入。近畿総合ではインカレ5位の天理大に敗れはしたものの大きく引き離されることはなかった。
15:40
C 横河電機(社会人1位) vs 福岡第一高(高校選手権)
 社会人王者vs高校生王者の対戦。横河電機は現在、速さ、高さ、シュート力、リバウンドなどほぼすべての面で実業団のトップと言ってもいいだろう。福岡第一高はウィンターカップで選手の怪我があったが、間隔があまり空いていないこともあり影響はありそうだ。力的には横河電機が優勢と思われるが、横河電機が対戦したことのないカテゴリーだけに何が起きるかわからない面もある。
D 東北学院大(東北) vs 愛媛教員クラブ(四国)
 インカレにも出場した東北学院大と力を伸ばしてきている様子の愛媛教員クラブの対戦。
17:20
C 石川ブルースパークス(JBL2・3位) vs 中央大(大学8位)
 JBL2で現在2位と健闘中の石川がインカレ8位の中央大と対戦する。石川は前回大会1回戦で鹿屋体育大(九州)に惜敗しており、今回は同じ大学チーム相手ということもあり、絶対負けられない思いは強い。今シーズンは接戦に強く、また逆転勝利もあるなど勝負強さを見せている。中央大は小野が中心のチームだが、他にも点を取れる選手もいてうまく機能すれば怖いチーム。どちらもシュートに関しては波があり、早くリズムを作れた方が有利か。
D 長崎教員クラブ(九州) vs 拓殖大(大学6位)
 大学6位の拓殖大に繰り上げ出場で抽選ギリギリに出場が決まった長崎教員クラブの対戦。力的には拓殖大が有利か。
19:00
C 日立電線ブルドッグス(JBL2・4位) vs 宮田自動車(北海道)
 オールジャパン出場のための順位を決める1回戦最終戦で出場を決めた日立電線。オールジャパンは4年ぶり18回目の出場となる宮田自動車。力的には日立電線が有利かと思われるが、日立電線は調子に波が大きいことが不安要素。宮田自動車は粘り強いプレーで勝機が見出せるか。
D 浜松大(東海) vs 新生紙パルプ商事(社会人2位)
 インカレでは2回戦で敗退となった浜松大はインカレでもプレータイムが少なかったママドゥの調子が気になるところ。新生紙パルプ商事はディフェンスが機能すれば十分勝機はあるだろう。浜松大の高さにどう対応していくか、リバウンドが鍵になりそうだ。

女子
14:00
A 中村学園女子高(九州) vs 北翔大(北海道)
B 鶴屋百貨店(社会人2位) vs 山形大(大学8位)
15:40
A BLUE☆STARS(関東) vs 松陰大(大学5位)
B 大阪人間科学大(近畿) vs 信州大(北信越)
17:20
A 仙台大(東北) vs 山梨クィーンビーズ(WJBL12位)
B 関西外国語大(大学6位) vs 岐阜女子高(東海)
19:00
A 早稲田大(大学7位) vs 桜花学園高(高校選手権)
B 大阪体育大(大学4位) vs JOIN(四国)

文 渡辺美香

全日本社会人選手権 準決勝の展望

 第5回全日本社会人バスケットボール選手権大会(兼 全日本総合バスケットボール選手権大会予選)は10月25日(日)最終日となる。

第5回全日本社会人バスケットボール選手権大会

 第1試合で男女準決勝を行うが、この大会からのオールジャパン出場枠が2チームであり、準決勝がオールジャパン出場チーム決定戦となる。準決勝に進んだ男女8チームのほとんどがオールジャパン地区予選大会(各地方の総合選手権)に進んでいるが、関東実業団の横河電機と新生紙パルプ商事は東京都予選に出場しないためこの大会でのみ出場権を得ることができる。また、千葉女子教員は千葉県総合選手権が来週でありまだ関東総合選手権への出場は決まっていない(昨年は関東総合選手権で優勝しオールジャパン出場を決めている)。この大会のみの横河電機と新生紙パルプ商事はもちろん、地区予選大会に出場する他の他のチームにとっても先にこの大会でオールジャパン出場権を獲得しておきたい気持ちは強いだろう。

準決勝の展望
10:00試合開始 会場:群馬県総合スポーツセンター(ぐんまアリーナ)
 男子準決勝 横河電機 vs SWOOPS
 過去2回(第2回大会、第4回大会)の優勝があり、今大会では男子初の2連覇に挑む横河電機とクラブチームとしては2回目となる決勝進出をかけるSWOOPSの対戦。力的には横河電機が優勢か。横河電機は2回戦(準々決勝)で怪我人が出た影響が心配だが、オールジャパン進出がかかる準決勝ではそれを埋めるだけのポテンシャルが十分にあるだろう。2回戦を逆転で準決勝進出したSWOOPSもオールジャパンを目指すチーム。一歩も引かない気持ちで臨んでくるだろう。
 男子準決勝 新生紙パルプ商事 vs 九州電力
 今シーズン2回目の対戦となる。前回は9月の全日本実業団競技大会2回戦で対戦し、新生紙パルプ商事が対九州電力戦初勝利を挙げている。しかしその敗戦から九州電力はさらに厳しいチーム強化を行い福岡総合優勝、そしてこの大会1・2回戦でも圧倒的な強さを見せている。対する新生紙パルプ商事は2回戦のガリバークラブ戦を終始追う展開で終盤になり相手の足が止まってきたときにようやく逆転とギリギリの勝利だった。この2試合を見る限りには九州電力の方が優勢か。新生紙パルプ商事はチームとして不安定さがあるが、ゲームの入り方次第では競った展開も期待できる。終盤まで競ればどちらが勝利を手にするかわからなくなる。
 女子準決勝 山形銀行 vs 秋田銀行
 東北の2強の対戦。故障者も多く万全とは言い難い山形銀行と、今シーズンからメンバーもコーチも一新された秋田銀行。現在のチーム状態からみれば山形銀行の方が優勢か。
 女子準決勝 千葉女子教員 vs 鶴屋百貨店
 教員1位で3年連続ベスト4に入った千葉女子教員が初の決勝進出をかけて実業団1位の鶴屋百貨店に挑む。両チームともに昨年度のオールジャパンにも出場しており、力のあるチーム同士となる。千葉女子教員はエース格の政木(#7)が1日目不在だったことが気になるところ。力的には実業団1位の鶴屋百貨店が優勢か。

取材・文 渡辺美香

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