スポーツのミカタ ウィークリー vol.2
目次
★全実への道・1~東京都実業団選手権~
★関東大学リーグ戦
★コラム:おおいた国体・成年男子
☆全実への道・1~東京都実業団選手権 準々決勝の結果と今後の予定は こちら
毎年2月に行われる全日本実業団バスケットボール選手権大会は実業団のシーズンラストを飾る、最も出場チームの多い全国大会となる。競技大会がわずかに16チームしか出場できないのに比べ、選手権は2倍の32チームが出場する。現在は各地で予選大会が行われているが(すでに終了している地区もある)、もっとも出場チームの多い関東は東京都予選で1ヶ月、関東予選(関東実業団選手権)で1ヶ月の長丁場の予選大会となっている。
東京都選手権のシードは関東実業団リーグの1部7チーム(曙ブレーキ工業は埼玉県)と、2部の最も上位のチームが第8シードとなる。今年は2部の1・2位が神奈川県だったので、2部3位のチームが第8シードに入った。シードチームはベスト16からスタートするので、東京都から22チームが進める関東実業団選手権の出場は決まっている。9月27・28日に行われた5回戦でベスト8が決まったが、全てシードチームが勝ちあがった。
10月5日(日)、準々決勝で第6シードの葵企業が第3シードの三井住友銀行をやぶるアップセットがあった。葵企業はこの大会からインサイドに石田(中央大、bjリーグでプレー)が加入。夏前から練習には参加していたが、「試合感覚が戻ってないです」と本人が言うように、初戦のクラヤ三星堂戦は思うように動けないほろ苦い関実デビューとなった。しかし第2戦となる準々決勝では三井住友銀行の小松と真っ向から対決。永田や柳沢との合わせのプレーからゴール下で次々と決めると、終了間際には速攻のパスを受け取りそのままダンクに行く余裕も見せた。松岡を怪我で欠く葵企業だが、インサイドが強化されたことでオフェンスが膨らみ、ゲーム展開に無理がなくなってきた。対する三井住友銀行は全日本実業団競技大会でのイカイ戦同様、競った試合の中で流れを引き寄せることができないまま終わってしまった。関東実業団選手権での奮起に期待したい。
インサイドの選手が2人不在の東京電力だったが、逆にそれで集中できたのか、中盤まで新生紙パルプ商事に一歩もひかない試合を見せた。新人の中牟田が使えるようになり、涌井だけだったゲームコントロールをひろげることができている。ベテラン川上が粘り強いリバウンドでつなげ、簡単には新生紙パルプ商事に流れを持っていかせない。後半に入り力の差を見せた新生紙パルプ商事だったが、スタートの5人中4人が国体出場ということもあり調整不足は否めない様子。準決勝は上り調子の葵企業との対戦となる。
日本無線と東京日産戦は第1Pでついたリードを日本無線が終始キープする展開。東京日産も眞部が粘り強いリバウンドを見せるなど好プレーもあったが、オフェンスが個人技中心となり、試合巧者の日本無線に太刀打ちできなかった。東京日産の次の大会は11月2・3日の日本社会人選手権となるだろう。あと1ヶ月でどこまで調整できるか。日本無線は次週の準決勝で横河電機と対戦する。全日本実業団競技大会で大敗した悔しさをバネに好ゲームを期待したい。
昨シーズン、社会人選手権以外の全ての大会に優勝した横河電機にとってはこの大会は「できるだけたくさんの選手を使っていきたい」(横河電機・藤本コーチ)大会となっている。今回「国体出場選手は使わない」方針だった横河電機の予定を狂わせたのが、リーグ戦2部3位の三井住友海上だった。「今日は奇策で行きます。上手く行けばスタートで大きくリードできるけど、下手をすると逆に0ー20とかになってしまうかもしれない」と試合前、三井住友海上#13数馬は語った。全国でもトップの横河電機に普通にやって勝てるわけがない…三井住友海上は一か八かの勝負に出た。
奇策は変則のゾーンディフェンスだった。ボールマンに対して徹底的にガード、インサイドにはWチーム。全員が声を掛け合い、常に動き続けるディフェンス。最初こそは動きが硬くボールを回されて得点されたが、次第にディフェンスのプレッシャーが横河電機のリズムを崩していった。リズムに乗れずリードを奪われた横河電機はまず国体でのプレータイムがそれほど多くはなかった梶原を出した。しかし勢いに乗った三井住友海上の新人の長谷川(法政大)と鈴木(明治大)のシュートを止められず追いつけない。三井住友海上が10点リードで前半を終える。
ハーフタイム、横河電機のコートでは国体優勝チームの主力だった高木が熱のこもったシュート練習をしていた。後半、“勝ちに来た”横河電機はいよいよ高木をコートに入れる。速いパス回しで三井住友海上のディフェンスを崩すと、笹のインサイドと高木、梶原のアウトサイドで好調に得点を重ねる。攻守にリズムを崩した三井住友海上はメンバーを入れかえて流れを変えようとするが、横河電機の勢いは止まらない。第3Pで一気に逆転した横河電機がそのまま逃げ切った。この試合で三井住友海上は新人が伸び伸びとしたプレーを見せた。10チームという全実出場権の関東枠に入るためにも、この経験を生かしたい。今シーズン神﨑の成長もあり、小納真良が出なくても強さが出せるようになってきた横河電機。リーグ戦は浦中がチームを支えていたが、今回は浦中もいない。この大会の次が昨年唯一取れなかった社会人選手権ということもあり、残り2試合でプレーの内容をより高めていきたいところ。
※最終日となる10月13日(月・祝)は代々木第2体育館で、有料入場となります(500円、高校生以下無料)。男女の3位決定戦と決勝戦の他、元日本代表の薮内夏美さん(現・富士通レッドウェーブアシスタントコーチ)のミニバスクリニックも行われます。
☆関東大学リーグ戦 第5週の結果と第6週の予定は こちら
後半戦に突入した関東大学リーグ戦は早速勝敗に動きが出た。
1部ではここまで全勝だった東海大が日本大に1敗、専修大が同じく全勝の青山学院大に2連敗し、全勝は青山学院大のみとなった。今週末の第6週には全勝の青山学院大と1敗の東海大が直接対決。東海大はこの2連戦で最低1つは必ず取らなくてはいけない。ここで東海大が2連敗すると、最終週を待たず青山学院大の優勝が決まる可能性も出てくる(専修大が日本大に1つでも落とすと青山学院大以外の全てのチームが3敗以上となり、優勝が決まる)。下位では大東文化大相手に格の違いを見せつけた法政大が2連勝し2部との入替戦の可能性をかなり少なくする結果となった。ベンチに入ったもののプレータイムはなかった神津、前週の試合で胸部を強打し欠場の信平という中、第1戦の序盤はペースに乗れないところも見せたが、第2戦では大東文化大を圧倒。「入替戦回避もそうだけど、インカレにむけてという気持ちはあるね」と今井監督。このリーグ戦中に神津をスタートにまで戻したいという気持ちがある。実戦的な練習を始めてまだ10日あまりという神津が今週末、リーグ戦初プレーをみせることができるだろうか。その他、日本体育大が接戦をものにし初勝利、中央大とは1勝1敗と星を分けた。大東文化大はまだ勝ち星を挙げていない。
2部は前半戦唯一全勝できていた慶應義塾大が前週に国士舘大に2連敗した明治大との対戦を2戦とも落とす。明治大は前週の連敗から立ち直り、さらに第2戦はチームを牽引する司令塔の伊與田を怪我で欠くこととなったが、それでも勝ち切れたことはチームに勢いを与えたことだろう。慶應の連敗で1位に躍り出た筑波大だが、早稲田大相手に圧勝とは言い切れない2連戦だった。早稲田大が2連敗、国士舘大が1敗したことにより、1部との入替戦キップとなる1・2位は1敗の筑波大、2敗の慶應義塾大と明治大の3チームに絞られてきた。国士舘大がここにくいこむには残り4戦を全勝もしくは3勝1敗でいって可能性が出てくるというところ。現在4勝の早稲田大は残り4戦を全勝しても8勝止まりで、1つでも負けるか、慶應大と明治大が残り1つでも勝てば入替戦(1・2位)の可能性は消える。下位も拓殖大が国士舘大をやぶり、順天堂大が初勝利を挙げるなど混沌とした様子。国士舘大は上のチームに向かっていった時と同じような気持ちで試合に臨んでいくことが必要だろう。ようやく1勝の順天堂大だが、これからの4試合の結果次第では入替戦回避が見えてくる。まずは次の拓殖大戦を1つは必ず取りたい。
☆おおいた国体・成年男子 おおいた国体関連記事は こちら
全県出場のおおいた国体バスケットボール競技成年男子は千葉県の2連覇で幕を閉じた。今年はJBL2単独チームでの出場、bjリーグの選手の参加とこれまでとはひと味違う大会となった。
3チームが単独チームとして出場したJBL2は総勢64名の選手が参加した(全出場選手は517名)。しかしその結果ははっきりと明暗を分ける形となった。単独チームの内、愛知県(アイシンAW)と茨城県(日立電線)と、わずかに2名ほど他のメンバーが混じっただけの鹿児島県(レノヴァ鹿児島)が1回戦で敗れた。11人中7人がそろった石川県(石川ブルースパークス)も2回戦で敗れ、姿を消した。そして唯一残った東京都(黒田電気)はそのほとんどが成年男子の国体では初出場の選手ばかりの中、決勝まで進んだ。
実業団の選手の参加も年々増えている。ベスト8のチームの中では、千葉県に横河電機の高木、梶原、秋田県に横河電機の小納真良とJR東日本秋田の佐藤哲朗、若月、村山、一戸、山形県に山形市役所の中村と小野と岡崎、田苗の4選手と東北電力宮城の五十嵐、神奈川県に新生紙パルプ商事の遠藤と坂口、静岡県にイカイの一杉と石谷と8チーム中5チームに参加している。
「初めて参加する年が全県出場って言うのはラッキーでした。すごく楽しかったです」と初の国体参加の坂口(神奈川県、新生紙パルプ商事)は声を弾ませて言った。同じチームで元東芝の折腹という上のレベルでやっていた選手とともにできた経験も大きい。
「1回戦を勝てただけでもよかったです。県内の選手たちにはいい経験になったことと思います」地元のクラブチームの選手が多い山口県は3年前準優勝したチームだ。実業団のチームで全国でもトップクラスの九州電力でプレーしている中川は2回戦敗退の今国体をそう振り返った。山口県はふるさと選手制度ができた年から中川と近森(新生紙パルプ商事)をチームに招くと、さらに今年は2011年の山口国体に向けての強化も含め県外の大学に行っている現役大学生選手を加えた。
決勝戦は千葉県の圧勝に終わった。千葉県には昨年までJBL2・千葉ピアスアローバジャーズでプレーしていた岡村がいることが大きい。千葉ピアスアローバジャーズを作ってきたのも岡村だが、この千葉国体チームを作ってきたのも岡村だった。さらに黒田電気とは対戦経験もあり、チームや各選手の情報もきっちり入っていたことだろう。逆に黒田電気は国体初出場の選手もおり、さらに今シーズンからコーチが新たになった。藤本・新コーチにとっては初の公式戦のベンチワークとなったが、JBL2リーグ戦開幕に向けて決勝戦まで進めたことは大きな経験になったことだろう。
現在改革が進められている国民体育大会。競技人口の減少や国際的な競技でないなどの理由で廃止となる競技も出てきている。バスケットボール競技は今後JBLの選手も出場するような大会になっていくのだろうか。地域格差が大きくなるようだと競技としての面白さは少なくなる。みんなが楽しめる大会、いろいろな人が参加できる大会、見たいと思わせる内容のゲームができる大会、目標とされる大会…これから国体はどういう大会になっていくのだろうか。
(取材・編集・作成 渡辺美香)
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