スポーツのミカタ ウィークリー2011 vol.23
☆関東実業団リーグ戦2011
<男子1部>
第1戦・第2戦の結果と第3戦・第4戦の予定
第1戦:三井住友銀行は序盤もたつき感があったがその後修正、東京日産に勝利した。東京日産は第1ピリオドこそ善戦したものの、第2ピリオド以降引き離されて終わった。横河電機は前半途中で富士通に追い上げられる場面があったが、そこで富士通がファールなどでリズムをつかめず、逆に横河電機が#0田ヶ谷のリバウンドなどで勢いに乗り富士通を引き離した。日本無線vs葵企業は終盤まで葵企業がリードする展開だったが、第4ピリオドに入って日本無線が追い上げ、残り3分を切ったところで同点とする。ここからどちらも一歩も引かない展開となるも、残り40秒から葵企業はシュートが決まらず、日本無線が#1福田大のフリースローで逆転すると、最後まで守り切り勝利した。曙ブレーキ工業は序盤から勢いのあるディフェンスで新生紙パルプ商事を寄せ付けずリードを奪う。なんとか立てないしたい新生紙パルプ商事だが、曙ブレーキ工業の勢いを止められず追い上げには至らない。最後まで足が止まらなかった曙ブレーキ工業が勝利した。試合後、敗れた新生紙パルプ商事#5遠藤は「すぐ明日試合なので、ここは切り替えます」と語った。
第2戦:前日の試合でチームのリズムが作れず初戦を落とした新生紙パルプ商事だったが、第2戦はゲームの入りから動きがよく、日本無線にリズムを作らせない。後半に入って日本無線も徐々に立て直してきたものの、要所でシュートが決まらず追い上げることができない。新生紙パルプ商事が勝利し、上位リーグ復帰への貴重な1勝を挙げた。昨日の試合との違いについて誰もが「気持ち」という新生紙パルプ商事。この日21得点、9リバウンドと活躍した#61坂口は「昨日は全然動けませんでした。今日は自分のできることをしっかりとやろうと思って臨みました。勝ててよかったです」と笑顔で語った。この試合では両チームの新人がマッチアップ。新生紙パルプ商事#27宇田川と日本無線#9小林は同じ青山学院大の同期だった。2人とも「なんだか不思議な感じがした」と語るが、お互いの活躍に刺激されるものも多く、チームが敗れた小林は「やはり悔しいです。次は勝ちます」と強く言った。第1戦を接戦で落とした葵企業は曙ブレーキ工業と対戦。今シーズンかなりフィジカルを鍛えてきたという曙ブレーキ工業はこの試合でも激しいディフェンスで葵企業にリズムを作らせず第1ピリオドで22点差と大きくリードする。葵企業もメンバーチェンジでリズムが崩れた曙ブレーキ工業の隙をつき追い上げるが、第3ピリオドでは再び曙ブレーキ工業が葵企業を引き離す。第4ピリオドでも葵企業が流れをつかむが、そこまでの点差が大きく追い上げには至らず。曙ブレーキ工業が2勝目を挙げた。昨シーズンのリーグ戦は怪我のため出場できなかった#4藤原は「個々のやることが明確になっていて、ミスも減っているし、チームが少しでも成長できていると思います」と今のチーム状態を語る。東京日産vs横河電機は序盤粘りを見せる東京日産に対し、横河電機は要所を確実に取っていき流れを渡さない。1試合目は3本だった3ポイントシュートも8本決まり、徐々に横河電機らしさを出してきている。東京日産は第1戦に不在だった#61高橋健がこの日はプレー、その影響もあってか、リバウンドは横河電機より多い数字を残している。新人がいないこともあり厳しい面もあるが、「チーム内のコミュニケーションはよくなっている」と#9三原は語った。富士通vs三井住友銀行戦は流れが交互に変わる展開で最後まで試合の行方が分からない接戦となった。序盤流れをつかんだのは富士通で8点のリードを奪う。しかし第2ピリオド、三井住友銀行の新人#37井関が流れを作り三井住友銀行が追い上げると、残り3分に逆戦し、三井住友銀行が3点リードで前半を折り返す。第3ピリオドに入っても三井住友銀行の勢いは止まらず#51新垣の連続得点などで富士通を引き離すと、15点差とリードを大きく拡げる。第4ピリオドに入るとフリースローが1/2しか決まらない三井住友銀行は徐々に富士通に追い上げられる。しかし最後は富士通が攻め切れず点差を詰められない。終了間際に富士通#34知念が3ポイントシュートを決めるが、三井住友銀行が5点差で勝利した。第1戦では動きが硬く、チューとも決まらなかった三井住友銀行の新人#37井関だったが、この試合では攻守に好プレーを見せた。「大学で引退後、半年くらいバスケットをやっていなかったのでなかなか身体が動かなかったです。ようやくといった感じですが、これからもっと頑張りたいです」と抱負を語った。敗れた富士通は「やはり経験が足りないですよね、チームにも個人にも」と岩佐HCは振り返った。
2戦を終えての個人記録は得点が日本無線#1福田大、3ポイントが曙ブレーキ工業#6菊沢、リバウンドが日本無線#49山本、アシストが葵企業#15永田と日本無線#6鈴木伸が同率でそれぞれ首位となっている。2位との差は僅差だが、リバウンドだけは山本が2位に12本差(総リバウンド数)をつけている。
第3戦は6月11日(土)、第4戦は6月12日(日)にどちらも平塚市総合体育館で11時からスタートする。1・2戦を連敗した葵企業は上位リーグ入りに向けてこの2戦のうち最低でも1戦は取りたいところ。1・2戦では善戦するもまだ1部での勝ち星がない富士通は第3戦で日本無線、第4戦で曙ブレーキ工業と対戦する。
<男子2部>6月4日にBブロック、6月5日にAブロックの第2戦を行った。Aブロックは初戦となったプレス工業をやぶったメディセオが2連勝。第1戦は得点力に悩んだが第2戦では中外を上手く絡め得点が伸びた。奇数チームのためこの日が初戦となったプレス工業は主力の体調不良や怪我の影響もあり今一つ力を出し切ることができなかった。東京消防庁はNTTデータに逆転で勝利し2部昇格後初勝利を挙げた。終盤に追いつき逆転する流れは第1戦と似ていたが、ここで東京消防庁が粘り、前回課題であったフリースローも決め、ミスも出さず、NTTデータの追い上げをしのぐことができた。#4千年は「3部から上がったばかりの自分たちにとって代々木でプレーできることはなかなかないことで、この場所でやることに恥じないプレーをしようとみんなで話しました」と語った。Bブロックは大塚商会が日立大みかに、三井住友海上が三菱東京UFJ銀行に、NTT東日本東京がJFE東日本京浜にそれぞれ勝利、大塚商会と三井住友銀行が2連勝となっている。
<3部>Bブロックは警視庁とオリンパスが2戦2勝。Cブロックは富士通ゼネラルが3戦全勝、東京都庁と本田技術研究所が2勝1敗と追っている。
<4部>Bブロックは清水建設と三菱ふそうが2戦2勝。
<5部>Aブロックは東急電鉄が4戦全勝、JXエネルギー戸田が3勝1敗となっている。Dブロックは横浜リテラが3戦全勝、富士ゼロックスと新日鐵本社が2勝1敗。
関東実業団バスケットボール連盟
☆JBL2 2010-2011
JBL2 2010-2011シーズンをチーム毎にまとめる企画、最終号。今回はレノヴァ鹿児島のシーズンをまとめる。
<レノヴァ鹿児島>
レギュラーシーズン最終順位 4位 11勝12敗(勝率0.478)
個人記録 #3並里:ベスト5・アシスト1位 #4ブラウン:ブロックショット1位
『目前で消えた夢』
レギュラーシーズン残り1試合だった。勝てば4位以上確定、負けたとしても他のゲーム次第では4位以上が決まる、チーム初のJBL2プレーオフを手に入れる目前で、シーズンは突然終了した。「シーズンの中止を聞いた時はなんともいえない脱力感みたいな感じでした」とチームキャプテン#小久保はその時を振り返った。「鹿児島のバスケットにとって希望であり夢であったその瞬間がなくなってしまってショックは大きかった」と鮫島HCも語る。これまでの2シーズンは下位に終わっていたレノヴァだったが、今シーズンは後半に入ってチームが上昇、2月にはプレーオフ進出を争う石川に2連勝し4位の座を手に入れた。
『やるべきことの明確化』
今シーズンのチームの躍進の1つに即戦力の新人の加入がある。ベスト5にも選ばれた#3並里や3ポイントランキングで4位に入った#13近がチームにフィットするようになった後半にチームが上昇したことが大きい。さらに「吉村アソシエイトコーチが来て練習の意識も変わった」と選手たちは言う。厳しい練習が続いたが、それが結果につながったことが選手たちの意識も変えていった。
毎年半分近くの選手たちが入れ替わるレノヴァ。2010-2011シーズンの好調さをそのまま次のシーズンに持ち込むのは難しいかもしれない。しかし、残る選手たちの意識の改革は次のシーズンにつながるものになるだろう。
(取材日:2011年5月9日)
☆トピックス
関東大学新人戦2011
現在開催中の関東大学新人戦は6月9日のゲームでベスト8が決まった。昨年のベスト8のうち7位だった中央大が日本体育大に、8位だった日本大が明治大にそれぞれ敗れベスト8入りできなかったが、6チームは昨年と同じ青山学院大、拓殖大、国士舘大、筑波大、東海大、白鴎大がベスト8に入った。本日6月10日はベスト4を決める準々決勝が、11日は準決勝と5-8位決定戦、最終日の12日は7-8位決定戦、5-6位決定戦、3位決定戦、決勝が全て代々木第2体育館で行われる。
関東大学バスケットボール連盟
東アジア選手権
本日6月10日から中国・南京で東アジア選手権大会(兼 FIBA ASIA選手権 東アジア地区予選)がスタートする。日本の他、中国、韓国など全6チームが参加するこの大会は東アジア地区予選も兼ねており、中国(開催地)を除く上位3チームに第26回FIBA ASIA男子バスケットボール選手権大会(兼 2012年ロンドンオリンピック アジア地区予選)の出場権が与えられる。予選ラウンドは6チームを3チーム毎に2グループに分け総当たりでグループ内順位を決める。グループ上位1位と2位が準決勝に進むことができる。日本はグループBに入り、モンゴルとチャイニーズ・タイペイと予選ラウンドを戦うこととなる。初戦の10日はチャイニーズ・タイペイ、予選ラウンド第2戦は6月12日(日)にモンゴルと対戦する。
日本バスケットボール協会(大会特設ページあり)
JBL 2011-2012
JBL(日本バスケットボールリーグ)は北海道バスケットボールクラブの加入を条件付きで認めた。また、理事に昨シーズンで現役を引退した佐古賢一氏を任命した。さらに2011-2012シーズンのスケジュールも発表。10月7日(金)の日立vs北海道(代々木第2体育館)を皮切りに、12月23日(金)のオールスター戦や2012年年明け早々のオールジャパン2012を挟み、3月25日(日)までレギュラーシーズンが続く。プレーオフは4月7日(土)からスタート予定。
JBL-日本バスケットボールリーグ
取材・リサーチ・写真・文 渡辺美香